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  1. 鳥取県議会 2022-12-01
    令和4年12月定例会(第7号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号「令和4年度鳥取県一般会計補正予算(第6号)」から第22号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  10番尾崎薫議員 ◯10番(尾崎薫君)(登壇、拍手)皆様、おはようございます。今日はとてもいい天気ですけれども、あしたから何か雪が降りそうです。皆さん、お気をつけてください。  まずは今日、職員の皆様、知事にも感謝申し上げたいと思いますが、鳥インフルの作業で本当に職員さんが苦労なさったこと、いろいろなところから情報が入ってきました。もう本当に心が折れそうになった、トイレに行くのも20分間かかるんだと、人に手伝ってもらわないと防護服が脱げない、そんな状況を知らせてくださる知人がおりました。  そして、コロナのことでも本当に職員さんには3年にわたり御苦労をかけています。知事以下、職員の皆様に本当に感謝、感謝の言葉しかないです。ありがとうございます。  もう1点、知事にもお礼兼ねて御報告を申し上げたいのですが、10月に医療的ケア児の避難の件でも質問をいたしました。そして、知事の温かい答弁に本当に力を得たということで、医療的ケア児の家族の方、支援が頑張られまして、この11月26日、たかだか1か月半のうちに交流会等をされました。11月26日には防災カフェをされ、そして、12月6日には東京からみかんぐみというピアサポートの交流会の立ち上げを支援される方々を呼ばれて、研修会をされました。どちらにも恵美里ちゃん親子が来られたり、そして、親子4組、支援を含むと20人ばかりが参加されて、いい交流会ができたなと思っています。  その交流会の午後には、クラリネットとかキーボードとか光の遊びがあって、医療的ケア児の皆様は表情豊かに体動かして、本当に喜びを体いっぱいで表されていたなというふうに思います。  県の子ども発達支援課の皆様、そして、鳥取県の消防防災課の方々、本当にお世話になりました。ありがとうございました。  加えて、会場を提供してくださった三洋テクノソリューションの会社には、ビショナリー・コラボレーションセンターというのを無料で貸し出してくださいまして、スタッフの方々が5人ぐらいついて、パソコンですとかコーヒーを出してくださったりですとか、いろんなサポートをしてくださいました。社長の木村さんという方がこうおっしゃっていました。「これからはものづくりだけではいけない、サービスのついたものづくりじゃないといけないんだ。そして、多様な方々にここを使っていただきたい。その中でコラボして世の中にいろんないいものを提供していきたいんだ。どんどん使っていただきたい。」とおっしゃっておられました。  今年、センターはオープンしたばかりなんですけれども、知事にも来てもらえるという予定でしたが、知事が知事会で急遽駄目になったということで、副知事が来られたそうです。「ぜひ、知事にもまたお越しいただきたい。」というふうに社長はおっしゃっておられました。  では、質問に入らせていただきます。  まず、特別支援学級、不登校児童生徒支援員についてです。1点目、不登校の生徒児童の支援についてです。  文科省の調査によると、令和3年度で全国では不登校の小学生は8万1,498人、中学生は16万3,442人で、その要因の中で、学校に関することでは、「いじめを除く友人との関係」が最も多く、中学校では11.5%、小学校では6.1%です。また、家庭に関わることでは、「親子の関わり方」が小学生では13.2%あります。そして、本人に関することが全体の理由の中で最も多く、「不安、無気力」が小中学校ともに約半分の49.7%を占めています。  振り返って鳥取県を見てみますと、教育委員会の資料によれば、小学生は令和元年から129人増え400人、100人当たりの出現率は1.40%、中学校は554人から99人増え653人、100人当たりの出現率は4.48%です。  このような状況の下、これまで教育現場では少しでも不登校の児童生徒を支えようとあれやこれの対策をしてきています。その中の一つに、小学校で、学校生活適応支援員、中学校では校内サポート教室支援員の取組があり、これは教職員以外の外部の方たちの協力を得ています。小学校の学校生活適応支援員には、子育て世代青少年育成団体指導、大学生民生委員シルバー人材、教職経験など多様な方が、学習支援教育相談、家庭・地域・学校の連携支援などをされています。また、中学校の校内サポート教室支援員には、元教員の方が当たっておられ、いずれの支援員さんにも児童生徒は悩みや不安を気軽に相談したり、学習の手伝いもしてもらえます。  ともすれば校内だけで問題を抱え込みがちな教育現場に、このように教員以外の目線を持つ学校外の方々の協力を得ることを教育長はどのようにお考えでしょうか。また、この支援員の方々の活動をどのように評価しておられるでしょうか、お聞かせください。
     2点目、特別支援学級支援員についてです。  ここ数十年の間に子供たち発達障害に関する捉え方も大きく変わってきており、より細かな支援が必要とされるようになりました。発達障害がある子供たちに、適切な教育環境を保障するために、県内小学校は5校を除き全小学校に合計356、中学校では、公立義務教育学校を加えて182の特別支援学級が設置されています。小中学校の生徒数も国の基準の1クラス8人より手厚くし、7人と充実した教育ができるように努めています。1人の担任で複数の学年にまたぐいろいろな発達障害のある子供を指導するのは難しく、先生をサポートする学習支援に係る非常勤講師が配置されています。その配置基準が令和3年度から変わりました。平成31年までは、3複式学級に1人、6複式には2人の非常勤が配置されていましたが、試行的に令和2年度からは、特別支援学級の全児童数を特別支援学級の担任数で割り、3人以下だと1人配置、中学校では4人以下だと1人配置となりました。この変更の理由の経緯と効果及び課題についてどのように考えておられるか、教育長の所見をお伺いいたします。  次に、文化芸術活動の支援についてです。  文化や芸術と聞くと、ふだんの日常の暮らしとは直接的には関係ないと思う方もおられるかもしれません。しかし、実際のところ、いろんなところに文化や芸術は生活の中にしみ込むように存在しています。若い人たちが好きなK-POP、イヤホンをつけて聴いている姿をよく見ます。音楽を聴き、演奏することから、洋服、着物の図柄、スマホ、靴、ペンまであらゆるもののデザインも文化です。そのデザイン性によって心引かれ、品物を買ったりもします。  また、絵を描いたり、見たり、写真を撮ったり、陶芸を楽しみ自分の茶わんを焼いたり、染めや織物をしたり、そして、書道は高校生の間でも人気です。まだまだあります。舞台芸術は見るだけでなく演じることもできます。また、ヒップホップなど子供から大人まで楽しめるダンスもあります。文化芸術は当たり前に日常にあり過ぎて、私たちは改めてその意義を考えることなく、その恵みを享受しているのではないでしょうか。  そこで、知事にお聞きいたします。知事御自身の文化芸術の体験で、どんなものが印象的だったのか、また、知事御自身にとって文化芸術はどんな意味があるのかお聞かせください。そして、同時に、鳥取県にとって文化芸術の意義とは何か、御所見をお聞かせください。  最後です。3点目、福祉審議会についてです。  鳥取県社会福祉審議会は、社会福祉法第7条及び鳥取県社会福祉審議会条例に基づいて設置されており、社会福祉に関する事項を専門家の立場から調査・審議し、知事の諮問に対して答申を行い、関係行政機関への意見も具申し、県民の福祉向上に寄与することを目的としています。  この審議会は、4つの専門分科会に分かれており、民生委員審査専門分科会、心身障がい福祉専門分科会老人福祉専門分科会児童福祉専門分科会から構成されています。民生委員審査専門分科会では、民生委員の適否についてなど、心身障がい福祉専門分科会は身体・知的・心身の障害の福祉に係る事項、老人福祉専門分科会老人ホーム設立認可取消し審査に関する事項など、また児童福祉専門分科会では、里親認定に関する事項などを審査します。社会福祉審議会では、それぞれの分野で関わってきた委員が県政におけるこれらの課題を専門的な立場で調査、審議するものと理解しています。  同審議会では年に1回や3回の年もありますが、大体2回開かれています。分科会もたまに年4回のときもありますが、大体年に1~2回程度です。  各分科会とも大事な項目について審議を行っていることと思いますが、年数回ほどで十分な審査、調査ができていると考えられているのかと感じることもありますが、知事が期待されている福祉審議会の意義と役割についての御所見をお聞かせください。  以上で壇上の質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員一般質問にお答え申し上げます。  まず、冒頭、鳥インフルエンザ対策、そしてあわせまして、新型コロナも含めて大変に温かいお言葉をいただきました。議員のそういうお心に我々職員としても本当に感激するものでございまして、非常に苦しい仕事であっただけに、心洗われるような気がいたしました。  正直申し上げて、鳥インフルエンザの仕事はやりたくないです。恐らく誰でもそうだと思います。命というものに向き合うことの非情さというものを感じますし、感染ゆえに、それを防御するということも重要でありますし、また、できるだけ早くという法律の要請もありまして、夜を徹してということ、当日は非常に寒かったですね。それを心配して、暖を取れるようにはするのですけれども、どうしても限界があります。  そういう中、私ども、手前どものことを申し上げてなんでありますが、職員の皆さんも意を決してやっていただいたことでありますし、結果としては、農林水産大臣も驚くほどに、手際よく最終的には結果を出すことができました。この辺が、小さな県庁ではありますが、鳥取県としての言わば底力、職員が持っていることを証明してくださったと思いますし、言わば公のために奉仕をするという、そのことのために、自らというものについて非常に謙虚に向き合っていただいていること、そういう姿勢に私からも、職員一人一人に感謝を申し上げたいと思います。  新型コロナも同じようなものでありまして、年月がたってまいりましたけれども、しかし、何とかここまで持ちこたえてきているというのは、ありがたいことかなと思います。  ただ、最近の状況を申し上げれば、昨日も1,000人を超える感染数になり、鳥取市保健所は久方ぶりに400人を超えました。今まだせり上がりがかなり厳しく出ているところであります。  ただ、この新型コロナは、言わば癖が見えてきまして、恐らくだんだんと人間社会になじんできているのではないかと思います。したがって、爆発的な感染力、特に感染のスピードが速いです。ですから、学校現場等でも苦労しながら、囲い込みをしてくださっていますけれども、その網をさらに超えていくような速さがありまして、だから、もっとスピードを上げていかないとなかなか閉じ込められないということがあります。ただ、片方で重症の数が少ないということが幸いであります。場合によっては、高齢でも対症療法の薬剤投与で回復して、治っていくということも珍しくありません。  ですから、闘い方を変えるべきタイミングに入ったのかなというふうに思っておりまして、これは現状からしますと、今週、恐らく過去最多を記録することになると思いますし、そういうことを乗り越えていけるだけの県民としての結束力は、これまでも示してきていただいたと思います。穏やかな年末年始に少しでもなるように、我々も最後の力を振り絞ってやってまいりたいと思っておりますので、また今後とも御指導をいただければと思います。  また、医療的ケア児の問題につきましても、尾崎議員がいろいろと先頭に立って動いていただき、私ども県政とつないでいただきまして、11月26日以降、新たな交流、そうした組織が動き始め、みかんぐみの皆さんなど、お力をいただけるようになりましたこと、本当によかったと思っております。ぜひ、そうした意味で一人一人に優しく包み込むことができる地域社会というものを鳥取県からつくってまいりたいと思います。  質問のほうでは、まず芸術文化につきましてお尋ねがございました。どういうような芸術体験のようなことがあるのか、また鳥取県において、そうした文化芸術というのは何なのかと、どういう意味がこれからあるのだろうかと、こういうお話でございます。  この文化芸術ということで、自分自身の体験をということで非常にちょっといろいろとある、悩ましいところではありますが、1つは子供の頃のことを若干申し上げれば、当然、小学校で図工の時間があります。そのときに先生にいろいろと教わるわけでありますけれども、自分なりに多少は絵は描けるかなと思っていたのですが、その絵で先生から非常に叱られたというか、大分注意をされたことがありました。それはまちの様子、そして、空を青く、水色で塗っていたのですね。自分の好きなきれいな水色で塗っていました。私のところは東京の下町の学校でありました。私が一生懸命水色で塗りたくっているのを見て、先生がこんな絵を描いちゃいけないと言われました。もっとここにはスモッグというのがあると。ですから、下に来るに従ってだんだんと青がグレーになってくると。  今から考えると、子供相手に何をむきになって言ったのかなと思えるところもあるのですが、恐らく芸術というのは何かを伝えるものだと思うのですね。先生は、その大都市の中で、そういう環境に対する問題意識というのを持っておられて、そういうものをやはり写実的に描く中でも、君は表現しなさいと、こういう意味だったのだろうと思います。  これは芸術論としてもよく言われることでありますが、何か人間の思いというものをしっかりと、ある意味、多少デフォルメをしながら、極端にでも表現をしていくと。それによって初めて伝わる、一つの世界観なり価値観があると。それが、文化であり芸術なのではないかと思います。そういうものに私ども、やはり思いを致すことで、人間自身も発達を遂げてきたのだろうというふうに思うわけです。  まちもそうだと思います。尾崎議員も御覧いただき、お住まいになられたニューヨークのまちがありますが、地元の人のプライドというのは、やはりあのシアター街、劇場のまちであります。そのシアター・ディストリクトに行くと、39に及ぶブロードウェイの劇場があると。そこの芸術文化に親しもうと、世界中から人が集まってくるのですね。やはり人間が醸し出す魅力であり、特に演劇世界、ミュージカルというものは、一瞬一瞬が全て消えていくわけですね。そのときだけの体験というものができる。そういうものが本当の感動であり、価値であり、人間にしかつくれない世界というのはやはりあるのだと思います。こういう劇場世界というのは、ローマの昔から、パンと劇場というふうに言われるぐらい、人間とは切っても切れない一つの表現世界であったと思います。  また、例えば1960年代ぐらいから、ニューヨークパブリックアートと言われるものをつくっているわけでありまして、まちの公園などにちょっとしたアートを置くということですね。こういうことがありましたし、もちろん音楽シーンでいえばジャズのお店があるとか、そういうものが言わば人間の彩りということになっている、社会の彩りということになっている、それがやはり人生を喜びに満ちたものに変えていくのではないかということであろうかと思います。  そして、そこに挑戦しようとして、いろんな人たちが参入してくる。これでまた、新しい文化であり、芸術というものが循環的に生まれてくる、これが人間社会というものをつくり上げてくるのだと思います。そういう意味で、実は子供たちの発達にも影響するわけであり、子供たちの脳の組織の活性化や成長にも影響すると言われています。これは定説的なものですが、そういう芸術に触れたり、その創造的なアクティビティーに参画をするということによりまして、イマジネーションを育てたり、それからコミュニケーション力ですね、あるいは表現ということ、論理的な思考力も含めて、そういうものの構成力というものが人間に備わってきて発達してくるというわけであります。  ですから、そういう意味で古代でいえば、上淀廃寺に壁画というものがあったと言われています。表現活動を人間がやるからこそ、脳が発達をし、社会が成長してきたという面もあるのではないかと思います。  では、それはニューヨークだけの問題なのかというと、私はそこからこっちに帰ってくるときに確信を持ったのは、鳥取こそアーティストのリゾートになれるということであります。西洋美術を見ても、やはりそうした中にあったのは、南仏の風景であったり、様々な美しい自然の中で育まれた。そこには多分、人間としての一つの安らぎがあった上で、芸術というのは生まれたのではないかと思います。  それは決して大都市の専売特許ではないはずであり、むしろ、言わば都会の人から田舎と言われるところであればあるほど、自分自身を見詰め直したり、自然と素直に向き合ったり、そして、美しいものがいろいろと身の回りに点在しているということではないか。  では、パブリックアートと言われるような、そういう公共世界のアート、ニューヨークに行くと草間彌生さんのものとか、いろいろと当たり前に転がっていたりするわけですね。実は、それは倉吉であったり、それから鳥取市の町なかでも智頭街道であったり、それから米子でもコンベンションセンターの辺りであったり、結構そういう彫刻だとか、そういうものがあって、これは何だろうかなと立ち止まって見る世界というのは、実は先人たちがつくってきています。それは、お地蔵様の世界もそうかもしれません。大山周りを取り囲むようにある、そういう精神世界と結びついたような文化や芸術というのは、実はこの鳥取県民、鳥取の歴史と文化の中にしっかりと息づいてきたのではないかと思います。であれば、むしろここから芸術を語り起こすことはできるはずだし、そういうことに携わりたい人たちも鳥取に来るだろうと、それがアーティストリゾートという構想でありました。  ぜひ、そうした原点に立ち返りまして、これから美術館であるとか、新しい展開を鳥取県はしようとしておりますので、意義のあるこれからの歩みになるように、全力を尽くしてまいりたいと思います。  もう1点として、社会福祉の審議会のお話がございました。これについては、詳細は福祉保健部長のほうからお話を申し上げたいと思います。  昭和22年、23年の頃に、児童福祉法であるとか民生委員法というものが生まれました。その後、社会福祉事業法が昭和26年に生まれるわけであります。当時の議論に従いまして、審議会が設置をされる、その社会福祉審議会という大きな審議会ができて、この傘下の中に児童福祉の審議会も分科会として入るようになったり、いろいろと制度が生まれたのは戦争の直後の頃でございます。  この社会福祉の審議会については、割と多くのことは法定事項の審議でありまして、これを認定しなくてはいけないとか、あるいはこれについて、審議会の判断なり、検証を求めるとか、そういうものがあるわけでございまして、実は、こうした仕事がかなり大きな部分を占めていると思います。  我々としても事務局として、きちんと丁寧に滞りなく審議が進むように、環境を整えることが大切でありますが、いろいろと課題も多いと思いますし、こういうICTの時代でありますから、いろいろと改革できることもあるのではないかというふうにも思います。  実は、地方分権の観点でもそうでありまして、そうした意味で、分権一括法とか、そうした中でこういう審議会の必置規制的なことは見直されつつあるわけであり、この辺、まだ本県は十分に活用できていないところもあるかもしれません。  いずれにいたしましても、詳細は福祉保健部長のほうから申し上げますが、きちんと真摯に、その審議事項が滞りなく進むようにやっていくことが大切であります。  なお、最近はこの社会福祉審議会で大どころの議論はしていただくことも一つの大きな機能としてありますが、子育て王国とっとりの会議であるとか、それから、生活困難についての会議であるとか、いろいろとそれぞれの場面、場面に応じて、専門家の皆さんに御意見、御審議を賜ることも少なくなくなってきました。例えば手話言語の普及のための審議会、委員会というものも設けさせていただいたり、ですから、こうしたそれぞれのごくごく専門分野のところで、専門家の皆さんに方向性をいろいろと協議をさせていただく機関とまた両立をしながら、大どころの社会福祉の議論とか、法律でこれはどうしても審議会にかけなくてはいけないという、そういう事項につきまして、適切に円滑な運営ができるよう、我々もきちんと全力を挙げてまいりたいと考えております。 ◯議長(内田博長君)中西福祉保健部長 ◯福祉保健部長中西眞治君)社会福祉審議会の意義と役割につきまして、補足の答弁をさせていただきます。  先ほど知事のほうの答弁にもございましたけれども、社会福祉審議会でございますけれども、社会福祉児童福祉に関する事項を調査審議するため、地域福祉、高齢、障害、児童保健医療教育、市町村の関係など、福祉に関わる専門的な知見を持つ委員が幅広く参加していただいている社会福祉法による法定の審議会ということでございます。  重要な福祉政策につきまして、様々な立場から意見をいただいたり、また、福祉全般に関わる政策課題について意見を伺う場として、重要な審議会というふうに認識をしております。  また、法定の審査事項というのも多数ございまして、それらにつきまして、行政が恣意的な判断に陥ることを防ぎ、また、専門的なそれぞれの委員の知見に基づいて検討していただくことも非常に重要な役割というふうに考えております。  社会福祉審議会でございますけれども、本会と専門分科会で構成をされておりまして、本会はこの数年につきましては、年2回程度開催をされております。また、分科会4つございますけれども、例えばでございますが、民生委員審査専門分科会につきましては、3年に1回、一斉改選がございますけれども、その改選のある年を中心に開催をしておりますし、また、心身障害福祉専門分科会については年1回、児童福祉専門分科会につきましては、過去5年間では6回開催した年が2年間ございますし、4回開催した年が2年間ございます。また、3回の開催が1年ということでございます。  この回数で十分審議、調査できているかということでございますけれども、先ほど知事のほうの答弁にもございましたけれども、近年、福祉分野における課題は複雑化、高度化をしておりまして、その時々の課題や専門分野につきまして、専門的な知見を持つ方などに参画をしていただいて、多くの方の意見を取り入れながら、政策等に生かしてきているというような形になってきております。  例えば平成26年3月に制定されました子育て王国とっとり条例に基づいて、子育て王国とっとり会議を設置いたしまして、子供関係の様々な施策について審議をしていただいておりますし、また、平成24年4月には障害自立支援法の改正で法定化されました、鳥取県地域自立支援協議会におきまして、障害の支援体制の構築などについて審議をしていただいております。  社会福祉審議会専門分科会は、それぞれの分野について深く、集中的に審議するために設けられておりますけれども、近年、このように様々な分野ごとの協議会等が設けられていることなども影響いたしておりまして、法定審議事項についての審議が中心とはなってきております。民生委員審査専門分科会でございますと、市町村から推薦のあった民生委員の適否を審議するということが中心になりますし、児童福祉専門分科会につきましては里親の認定、保育所の認可などが案件としては多く諮られているところでございます。直近の児童福祉専門分科会におきましては、里親の認定等につきまして、まず2時間ほど議論をいたしまして、それでもまだ審議が足りない部分を持ち越して、さらに3時間かけて審議をしております。このように、案件が発生した都度、開催をさせていただいて、しっかりと審議をしていただいていると考えております。  ただ、分科会の状況を伺っていますと、本来、報告して意見を伺うべきであった案件について、報告の遅れがあったというようなものですとか、あと事前に資料の配付がなかったというようなことで、当日、膨大な資料を見て判断をしなければいけなかったというようなこともあるということがございますので、そういったことにつきましては、今後は専門分科会の意見をいただくべき重要事項につきましては、タイミングを失することなく早めに報告するように、点検徹底をしていきたいと考えておりますし、また、その際はしっかりとした議論をしていただけるよう、事前に資料を見る時間を十分確保するなど、審議の環境整備にも努めていきたいというふうに考えております。 ◯議長(内田博長君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)尾崎議員一般質問にお答え申し上げます。  2点、お尋ねがございました。1点目は、不登校の児童生徒への支援ということで、学校生活適応支援員、そして、校内サポート教室支援員など、校内だけで問題を抱え込みがちな教育現場にあって、こうした外部の方々の協力を得ることをどのように考えるか、そしてまた、どう評価しているかという点、そして2点目が、特別支援学級支援として、非常勤講師の配置基準の見直し等の経緯等についてのお尋ねがございました。  まず1点目でございますが、先日の濱辺議員さんの御質問等にもお答えしましたが、不登校の児童生徒が本当に急増していること、非常に私も心を痛めておるところでございますが、決してこれは問題行動ではなくて、様々な理由による困り感を抱えて、そして自分の居場所を探していらっしゃる、そうした児童生徒がいらっしゃるのだというふうな認識でおります。そうした困り感を抱えていらっしゃる児童生徒の支援は、議員からもよく御指摘がありますが、担任1人で抱え込むのではなくて、管理職はもちろん、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、さらには御指摘があったような評価ではない、教員以外の支援員あるいはサポート教室支援員等の外部の方々の力をお借りするということ、それを含めて、学校組織として対応をしていくことが本当に必要であり、子供たちの将来、社会的な自立に向けた大人の様々な形での関わり、そういう意味で非常に重要であろうというふうに認識をしております。  この学校生活適応支援員、さらには校内サポート教室支援員については、議会の御理解をいただきながら配置をさせていただいております。  学校生活適応支援員は、県内18の小学校に、今、配置をしているところでございますし、今年度からは1週12時間だった配置時間を17時間に延長もさせていただき、その対応の充実を図らせていただいております。この支援員の方々が、子供たちにしっかり寄り添っていただいて、話し相手になっていただく、そして、相談相手はもちろんですが、家庭の悩み等も含めて、その子供たちに寄り添っていただいていることから、子供たちの心が和らぎ、落ち着いて、学校、そしてまた教室にも入れるようになったというふうな事例も見えてきているところでございます。  また、校内サポート教室につきましては、東部では鳥取西中学校、鳥取南中学校、中部では倉吉西中学校、西部では福米中学校、後藤ヶ丘中学校の5校に設置をさせていただいております。こちらには教員出身の元校長先生だったり、教員の方が支援員として入っていただき、こちらも強制ではなく、子供たちのペースに合わせた、学校には来れるのだけれども、教室まで行けない、そうした子供たちが自分のペースで学びをその教室で進めておりますし、また、こちらも温かい見守りや相談相手になっていただくことで、学級に復帰できた、そうした例も多々見られるようになってきたところでございます。  濱辺議員さんのほうにもお答えしましたけれども、私は大事な点は、やはりそうした困り感を抱える子供たちにとっての居場所ということが1点、そして、人との関わりを何らかの形で持つということが2点、そして、自分のペースでもいいのだけれども、きちんと学びを積み重ねていく、学びの保障という3点が重要であろうというふうに思っております。  そうした意味で、この人とのつながり、さらには居場所という点で、この支援員さん方それぞれ本当に大きな貢献をしていただいていると思い、心から感謝をしているところでございます。  今後もこうした方々のお力もお借りしながら、そうした困り感のある子供たちにしっかり寄り添った対応ができるように努めてまいりたいと思います。  2点目は、特別支援学級の支援員の非常勤講師についてのお尋ねでございましたが、これは御指摘がありましたように、1つの特別支援学級に他学年の児童生徒が在籍する場合に、その児童生徒の実態や、あるいは学習状況の違い、差を踏まえながら、一人一人の教育的ニーズに対応するようにということで、平成15年から県独自で配置をさせていただいております。  こうした非常勤講師の配置は全国でも非常に例が少なくて、本県独自のそうした取組で、これもまた議会の御理解をいただいて配置をさせていただいているところでございます。  そういう中で、小中学校、義務教育学校において、特別支援学級に在籍する生徒は本当に急増しております。平成18年度には、小学校で449人でありましたが、これが平成4年度には1,384人、15年余りで約3倍にも、特別支援学級に在籍する児童生徒さんが増えているところでございます。  そういう中で、平成15年からスタートしたこの非常勤講師の配置基準も、当初は3複と言っておりましたが、3学年またがらないという、特定の学級へというふうな形での配置をしておりましたが、現場のほうからも、そうした特定の学級だけしか使えない非常勤講師だと、やはり非常に困り感が学校現場としてあることや、1人の特別支援学級であっても、そこに支援が必要な子供さんがいらっしゃること、弾力的な運用をぜひお願いしたいということ、そんな声を受けながら、この配置基準について見直しを図り、令和2年から試行的に今の制度に変えてきたところでございます。  ただ、多分効果ももちろん、柔軟に対応できて、そうした児童生徒の困り感に寄り添うような支援ができる一方で、指導される先生方にとってのやはり課題も、たくさんの準備をしなくてはいけない、たくさんの対応をしなくてはいけない、そうした困り感があることも承知をしているところでございます。  こうして全国に例を見ない形で、その特別支援教育の充実に支援をさせていただいていることに感謝しながらも、一人でもそうした子供たちの困り感をより救済していくことができるように、今後も弾力的な運用を含めて、この非常勤講師の配置については随時、現場の声を聞きながら見直しは検討したいというふうに思っております。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)それぞれに御答弁いただきました。まず教育のほうから入りたいと思います。  教育長の答弁は、前向きにしていただいてうれしいなと思いますが、まず特別支援学級の支援員ですけれども、今、本当に確かに3複式に1人しか駄目という、何か本当に使いづらかったと。その声に真摯に対応して、現場の声に対応してくださったということ、現場からも感謝が出ています。  その上で、やはりどんな制度でも何かあれば出てくるのですね。2年たちまして、こんな声があります。「4、5複式のいろんな発達障害の児童を1人で見るのには本当に無理である。」、「5学年7人の担当をして、特別支援主任もして、帰宅も夜遅く、教材研究もできない。」、「1学年に複数学年いる、校外学習引率には学校に残る児童生徒の準備も要る。」、「5学年いると国語、算数だけで1日10こまの授業の準備が要るのでとても十分なことができない。」、「単純に数の問題にするのには負担が大きい、学校、学級、児童の実態に合わせて、ぜひ支援員配置をしてほしい。」というように言っておられます。  先ほど、これは実態に合わせて、また考えていくとおっしゃってくださっていたので、このような声に真摯に向き合っていただけたらと思っていますが、これは再度答弁お願いしたいと思います。  もう1点ですけれども、不登校の支援員、学校生活適応支援員は、確かに配置されている学校が小学校124校中18校、それから、中学校が56校中5校ですね。確かに少ないといえば少ない、現場でのニーズはとても高いというふうに聞いています。声が出ています。  そして、効果が出ないのではないかと言われて、実はじくじたる思いをしていらっしゃる学校もあるのですね。実は、例えば30日以上休んでいると欠席扱いになる。ただ、その回数が4か月あったのが1か月に減ったとか、それから実際に出てくる日数が増えたとか、そういったことは数字にならないのだけれども、その子の表情ですとか意欲ですとか、本当に変わってきている。その辺りを配慮していただけたらうれしいなという学校もありました。  また、ある中学校では支援員の効果は最初はあまり出なかったと。そこで校長先生がリーダーシップを発揮されまして、立命館大学から講師を呼ばれて、それでなぜこの支援員が必要なのか、学校全体で考えたと。そして各人が何をしたらいいかということ、それぞれが考えて、校長先生が全員野球の体制を整えた。そうすると見る見る変わっていた。そして子供も見る見る変わっていったということなのです。この制度は、すぐすぐ増やすのは難しいというような基準があるのですけれども、配置期間は1年間、協議でプラス2年間まで延長なのですけれども、現場からはぜひこの3年までというのをもう少し延長してもらえないか、それからあと、やはりもっと配置してほしいという学校があるのですね。そういったところの声を聞いてあげてほしいと思いますが、この2点、よろしくお願いいたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)尾崎議員から重ねてお尋ねをいただきました。  まず1点目につきまして、特別支援学級支援員の配置基準の見直しで、議員のほうから、現場の本当に生の声、困り感を御紹介いただいたところでございますが、私のところにも、特別支援教育課あるいは教育人材開発課等を通じて、そうした声は届いているところであり、何とか現場で子供たちのためにしっかり向き合って頑張っていただいている先生方への支援を、今後もしてまいりたいなというふうに思っているところでございます。  先ほど申しましたとおり、こうした課題に対して、どんどん人数を増やしていくということが簡単にできればいいのですが、なかなかそうもならない中にあって、学校現場の困り感に寄り添う運用の仕方というのは、先ほど申しましたとおり、柔軟に適宜、対応して見直しを図っていきたいというふうに思っているところでございます。  そういう意味で、よく現場主義という言葉が使われますけれども、私たちこそ、現場で今、どんな困り感があるのか、そして子供たちがどんなふうに変化、変容しているのか、子供たちの姿を中心に据えた取組を、教育行政として進めていくことが必要であろうというふうに思っております。その第一歩が、そうした先生方の声なのだろうなというふうに思っておりますので、今後もしっかりそうした声に耳を傾けながら、この取組、検討を、適宜見直しも含めて図ってまいりたいと思います。  2点目は、この適応支援員や校内サポート教室支援員の拡充について、お尋ねをいただいたところでございます。  これも同じように、私のほうにもPTA協議会ですとか、あるいは各市町村教育委員会からも、拡充していただけないだろうか、先ほど申したような、子供たちがこの居場所を見つけて、そして変化が起こって、そして学校、教室復帰ができるようになったり、また自分の言葉で自分の思いをきちんと語れるようになった、そういうふうな効果も出ている。そうしたことが、この支援員の力によるものだという、そういう声も届いているところでございます。  この2つとも、県主導で今進めてはおりますが、少しずつ市町村のほうにも、この効果から市町村配置の学校も出てきております。岩美町ですとか琴浦町で2校、そしてまた米子市では3校独自に、この県の事業を踏まえながら、それぞれ市町村のほうでもこうしたサポート教室を設置し、そこに居場所があることの安心感が子供たちを変えている。そうした事例を聞いているところであり、そうした動きが市町村のほうでもどんどん広がれば、この県の取組もまた、効果を上げていくのではないかというふうに思いますので、市町村のほうとも、よくここは話をしっかりしながら、また配置の年数等もそうした声に耳を傾け、検討はしてみたいというふうに思います。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)御答弁いただきました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。  市町村も取組をし始めているということで、喜ばしいことなのですが、市町村任せにしないで、ぜひ県の支援もしっかりとしていただきたいと思いますし、また配置基準をどう見直したか、どんなふうな配置がなされていくのか、適宜、私のほうにも教えていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、福祉審議会ですけれども、部長のほうの答弁で、しっかりと資料も出していく、それから事由、事項もきちんと審議してもらうようにするというふうに言っていただいて、そのとおりお願いしたいと思っております。  実際、実は私も民生委員審査分科会の委員をしておりまして、びっくりしたのが、70分の時間で967人分の民生委員、125人の主任児童委員について適否を審議するということになっておりました。実際には新任の方々ですので、200人規模ではありますが、さてこの70分で、説明が30分ぐらいあって、どうするかな、初めて見る資料です。何百人もあります。鳥取は時に知っている人もありますが、中・西部となると全くお手上げの状態で、そんな中できちっとした審議ができるかななんて不安に思いながらしたところでした。基本的な情報しかなくて、正直なところ判断は全くできません。ですので、もう少し資料の提供の仕方を考えていただけたらと思いますし、児童のほうのサポートの適否を審議する際も、やはりじっくりとした時間はなかなか取りづらいのかもしれませんが、委員の中にはちょっとせかされてしまったなという感想を持つ方もおられました。この辺も資料の出し方等を気をつけていただきたいと思います。  ですから、もう集まって、はい、承認してくださいの会にならないようにということを私は言いたいと思います。  もう1点、知事もおっしゃっていましたけれども、最近は重要事項がやはり出てきたと。専門的な見地で専門家の意見を聞きたいというような事項もあるのだと。国の法定のものだけでなくということが言われていました。児童福祉専門分科会では、以前、児相で起こった児童へのセクハラ問題がありました。それはすぐに報告があったのですね。しかし、今年1月に起こった母親逮捕の事件や、それから10月に議会に報告があった児童施設で児童が死亡した案件も、いまだ審議会には報告がない。報告はあったのですけれども、ほんの1行のみの説明でした。やはり知事もおっしゃったように、十分な審議をしていただきたい事項ではないかと思いますので、きちっとした資料提供等を行っていただいて、審議していただくような体制を整えていただきたいと思いますが、知事の御所見をお願いいたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員から重ねてのお尋ねがございました。  結論から言いますと、そのように取り計らいさせていただき、委員の皆様の審議が滞りなく、また、目的が達せられるように、最大限努力をしてまいりたいと思います。  若干、今後の方向性、せっかくなので議員のお考えもあればということでもあるのですけれども、実は、民生委員専門分科会がございますが、そこで扱っているものというのは、おっしゃるように膨大なのですよね。それはどういうことかといいますと、実は民生委員制度というのは戦前から始まっていまして、それで済世顧問という形で民生委員が岡山でまず発足をすると。その後、大阪のほうで方面委員という制度になっております。これは戦前の話です。これが全国に広がりまして、一つのそうした町なかにいて、言わば後見役をやるというような、そういう役割を果たしたわけであります。  それが戦後になりまして、昭和23年に民生委員法ができる。時はGHQがおられます。そういう中なので、市町村長が独断で選ぶのではなくて、民主化しようということで始まったのが、今、議員がおっしゃる仕組みなわけです。  ですから、これが二重になっていまして、市町村において独断で市町村長が決めるということにならないように、市町村ごとに、民生委員の推薦会というのを設けている。これは議員も見ていただいたと思うのですが、実はこの人を推薦したというのを、一次審査をというか、地元でやっているのですよね。その上で県レベルでも民生委員専門分科会のほうで、もう一度見るということになっているのですが、全県のいろいろな有識の方々1,000人だとか、そういうものを見るというのは、恐らく想定されていないのですよね。  今どうなっているかといいますと、平成25年に地方側の意見が採用されまして、この設置は努力義務になりました。ですから、やはり一つ一つ見るのは、それはむちゃだよと。それぞれ市町村で、言わば民主化を図るという趣旨は体して、その推薦会のほうで審査もされているものでありますから、そこに県がでは割って入って、この人は不適切なので辞めてくださいというのが果たして言えるかどうかというのが、実は根本論としてあるのですね。
     それで、そういうものは要らないのではないか、実は地方側のほうにありまして、もともと国の制度なのですけれども、それが採用されて、地方分権の一括法の中で努力義務化されています。ですから、今の運用のままでいいのかどうか、平成25年に制度改正があったのですけれども、やるとしてももっと合理的なやり方があるかもしれませんし、何だったら努力義務なので、この点以外のもっと大所高所の議論をしてもらうということにするのか等々、本当はその時点で一回検討すべきだったのだろうと思うのです。そういうようなことを、我々もちょっと問題意識として持たせていただいております。また、関係先とも相談してもいいのかなと思っています。  児童福祉のほうにつきましてはおっしゃるとおりでありまして、細かい文言は確かにあって、これに当たる、これに当たらないというので、事務局的にはこれを審議にかけるかどうかというのはいろいろと査定したいところだと思うのですが、私などはどっちかというと住民代表のほうでありますので、しかるべきものはしかるべき方々にやはり報告をして判断を仰ぐ、御意見を、有益なものをいただけるのであれば、それに付したほうがいいというふうに思います。  したがいまして、そこは弾力的にやはり判断を仰ぐべきものについては、ちゅうちょなく、遅滞なくすると。その際にプライバシーの問題だとか、デリケートな問題があるのであれば、それは審議会の分科会の運用のやり方ではないかというふうにも思います。これは少々事務方と考え方が違うところがあるかと思いますが、今日の議員の御議論を私ども受け止めさせていただきまして、関係の皆さんと相談をさせていただければと思います。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)前向きに御答弁いただきました。ぜひ検討のほうをよろしくお願いしたいと思います。非常にこの児童福祉の分科会にとっては重要な案件だなと私も思います。よろしく御検討いただきたいと思います。  最後に、文化芸術についてですけれども、知事も幼少体験は大変つらいという、つらいのでしょうかね、そういう体験なさったのだなと思って、私も実は似たような体験をしまして、版画でしたでしょうかね、やったときに、先生がこれはあまりよくない例ですと言って、私の版画を見せられて、クラスの前でですね、ぎょっとして、もうそれから版画が大嫌いになったということを思い出しました。それは先生も例として出されたのだろうと思いますけれども、そうはいっても芸術はとても大事なものだと私は思っています。  いろんな活動をされていまして、芸術文化は本当に私の生活にとって大事かどうかと、実はアンケートを取らせていただいたのですね。アンケートを取った内容ですが、尾崎さん、これはノーと言いづらい内容だよと言われる方もあったのですが、芸術文化は人間の生活に大事なものだと思いますかという質問に、72%がイエス、それから、24%の方が大体そう思うと。つまり96%ですね。それから、地域の文化活動、芸術活動を支え、発展させ、地域づくり、観光にも貢献する民間の文化芸術団体等に対し、その活動を持続可能なものとするために、行政の最低限の下支えの必要があると思いますかということに対して、65%がイエスと、それから、28%が大体そう思うと。つまり94%の方が賛成しとられました。それと障害アートの取組も、もうこれは100%近くがすばらしい取組だとおっしゃっていました。  先ほど知事がおっしゃったように、まちが文化にあふれていたほうがいいというような答弁がありましたけれども、子育てをするとしたら、文化芸術活動が豊かなまちがよいと思いますかということに対しては、72%の方々がそう思うと。それから、大体そう思うも含めると95%、学校教育で音楽や美術などの科目についてどう思いますかということに対しては、74%が必要だと、それから大体必要だと思うを加えると97%、そんな方々、約200人の方に聞いたのですけれども、子育て中の方、働いている方、いろいろ知り合いの方を通じて、それからインターネットのグーグルでやったのですけれども、中にはこんなふうなこともありました。「目に見えない教育にお金を使うことは未来の人育ての投資と思います。文化芸術は人間を育てるような気がします。」と。それから「身近に質の高い芸術文化に触れる機会があることがその地方の豊かさの指標になると思う。豊かな自然は地球からの贈物ですが、文化芸術はそこに暮らす人たちがつくっていかなければならないものだ。」というふうに、大抵肯定的におっしゃっているのですね。  そこで、ちょっとお伺いしたいのですけれども、まず、いなば西郷工芸の郷とか、それから、鳥取民藝美術館、鳥取JAZZなど、いろんな活動をしていらっしゃいますけれども、中でも私は鹿野に拠点を持つ鳥の劇場、この活動はすばらしいなというふうに思っています。例えば子供から大人まで楽しめる様々な演目をしたり、それからアウトリーチ活動では、県内22か所の公民館等で「どろぼうがっこう」という劇をされまして、まさに目の前で劇をおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に孫が見ると、そんな活動もされています。  海外から、いろいろな国からアーティストや劇団を呼んで、まちのあちこちで演劇祭の中では普通の県民が見られるという活動もされています。何よりもすばらしいなと思うのが、じゆう劇場なのですね。障害のある方々が劇をつくる。それを私たちが見るのですけれども、今年のパンフレットでは、障害のある人たちの劇ということを一切書かなかったと。これにはニューヨークのTBTBといいまして、障害を乗り越えてやる劇場というTBTBさん、その方とコラボしました。そのTBTBさんには目の見えない方、耳の聞こえない方、車椅子の方、それから、じゆう劇場の方は知的障害の方、身体障害がおられます。一切パンフレットにありませんでした。でもその方々が織りなす演劇、会場は誰もそんなことを感じないのですね。本当にアーティストが、俳優さんたちが劇を演じたということをひしひしと感じる、そんな劇でした。この活動を10年していらっしゃるのです。  ところが、鳥の劇場さんが今困っていらっしゃるのがバックヤードです。レストランでいえば台所に当たるのですけれども、今年10月に会派民主で視察に行きましたが、大道具を作ったりいろいろなことをするところですね。それが雨漏りはする、床はぼろぼろ、狭い、いろいろなものを雑多に置かざるを得ない、そんなところなのです。台所と言われるところがそんな調子ではなかなかいいものができない。そこの建て替えを考えておられますが、国や市、それから御自身たちも努力していろんな資金の調達をしようとしていらっしゃいますけれども、そこをやはり持続可能にするには、県のサポートも必要だと思いますけれども、知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員から、芸術文化についてのそういうコミュニティーづくりにつきまして、お話がありました。  西郷工芸の郷ですとか、あるいはたくみ割烹店、あるいは博物館、いろいろと私どものところでも彩りのある、そうした芸術文化というものが息づいているようになっていますし、西郷のほうでも10工房がもうできて、移住も増えてきているという状況であり、3,000人ほどお客様も来られるようになってきたと。やってみれば、そういう磁石のように引きつける力というのはやはりあるのだと思います。  その先陣を切ったのが、鳥の劇場でございました。こちらも10人ほど、こちらに、中島さんが中心となりまして、劇団ごとやってこられたわけでありまして、それに、鹿野の小学校などを提供して、劇場を始められるということになりました。  この知らせというのは、私もアメリカにいて、それをインターネットで知ったものですから、これはすばらしいと。だから、アーティストリゾートという言葉を当初から使いましたのは、実は鳥の劇場を指しています。そういうような移住を伴うような芸術文化の振興策というのが、やはり究極の鳥取の目標ではないかなと思っていました。  ですから、いろいろと御議論はあるとは思うのですけれども、当初から、この鳥の劇場に対して、例えば鳥の演劇祭をやるとか、あるいは様々な公演活動であるとか、また教育や福祉にも挑戦をしていただく、そういうのもやはり効果があると思いましたので、我々のほうでもいろいろな意味で支援もさせてきていただいております。それが、アーティストリゾートを確かなものにすると思ったからであります。  これまでも、平成27年にやはり鳥取市のほうで、ちょっと耐震工事等をやろうということになりましたときに、県のほうでもやはり応分の支援をそのときもさせていただきました。以前から、なかなかバックヤードも含めまして課題のある建物でありますし、何せ古いものですから、手を入れなければいけないということなのだろうと思います。詳しい話はちょっと伺ってみなければいけませんが、市もきっちり役割を果たすことも大切だと思いますし、私ども県も、そういう大きな事業があるということであれば、この地で根づいていただけるように、ひょっとするとほかへ行ってしまうということもあるものですから、やはりそうやって文化芸術の拠点というものを我々も一緒になって形づくっていくことが重要だと思いますので、我々なりの応分の責務を果たさせていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)御答弁いただきました。ぜひ、もちろん御本人さんたちも自分たちで頑張りたいと。市も国も支援をするということなのですけれども、県のほうもぜひ加わってよろしくお願いしたいと思います。  もう少しだけ御紹介しますと、今話題のアンディ・ウォーホルのこともちょっとあったりしました。「アンディ・ウォーホルの作品、現物を見たいです。」という方もありましたし、「価値ある美術品を積極的に買って入替えを行うことで、世の中の美術品を循環させていくことにも貢献していただきたい。」と。「先日、物議を醸したウォーホルの作品についてもそうですが、批判を恐れ、萎縮してしまうようでは美術館としての価値も下がってしまうと言える。」と。「新設される県立美術館の存在価値が高まり、何度も足を運びたくなるような施設にしてください。」というような応援団もおられますので、しっかりと議論しつつ進めていただきたいなと思います。では、これで終わります。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  11時15分より再開いたします。        午前11時08分休憩    ────────────────        午前11時15分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  14番鹿島功議員 ◯14番(鹿島功君)(登壇、拍手)皆さん、こんにちは。自由民主党の鹿島でございます。  それでは、初めに一般質問されました尾崎議員と同様でございますが、本当にこのたび、今シーズンで全国的に致死率の高い高病原性鳥インフルエンザが流行してまいりましたが、本県でも初めて、先月末に鳥取市内の養鶏場で発生が確認されました。養鶏農家の方からの適切な通報、そして、知事から自衛隊への災害派遣要請、農林水産部をはじめとする多くの県職員の皆さんにおかれましても、昼夜を問わず24時間体制で現場での防疫措置に当たっていただきました。初めてとは思えないほどの非常に統率の取れた速やかな対応で、その後の感染拡大に至らず、平時からの備えのたまものであったと思います。関係の皆様に改めて深く敬意と感謝の意を表して、質問に入らせていただきます。  これからの農政ということで、食料安全保障政策についてです。  いまだ収束が見通せないコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻といった国内外の情勢の影響を受けて、我が国の食料や食品加工原料など、これまで当たり前に安く輸入していたものの供給停滞や価格の高騰に直面しています。これまでも叫ばれていた輸入依存リスクが、まさに今、国民・県民の実生活や企業の事業活動への影響として、現実のものとなったわけであります。  市場が混乱に陥る中、本県においても重ねて補正予算で対応してきましたが、改めて、このたびの臨時国会で国の補正予算が通ったことで、肥料や飼料の高騰に対する救済措置が国の責任の下に実施されることになり、留飲を下げたところであります。  今後、アフターコロナに向けて、以前のように人が動き、物が動き出すことになりますが、円安基調や物価高騰を背景に、外国企業に買い負けして輸入農産物がこれまでのように安く手に入らないという現実もあります。  また、国内産については、生産の高齢化と後継不足で、長期的に見れば供給の先細りは明らかであります。その上、現在の消費者の志向は、安ければ売れるのではなく、規格や安全性を含めた高い水準での品質確保が求められる時代でもあります。肥料や資材費が高騰し、経営を圧迫する中、農家にとっては、消費者に対して直接価格転嫁できるものではなく、こうした厳しい状況が続けば、ますます農業離れが進むと危惧しております。  世界人口が80億人を超えた今、昨今の国際情勢を踏まえて、自由貿易が困難となり、国際市場が機能しない局面を迎えたとき、我が国は飽食から飢餓の時代へと暗転するリスクを負っているのであります。不測の事態に国民の命を守るためにも、農業振興は不可欠であり、食料自給率の向上は安全保障の根幹であると言っても過言ではないと思います。  フランスには農家のコスト上昇が販売価格に反映する自動改定の政策が誘導する仕組み、エガリム法というのがあるそうであります。また、国土の約4割が山岳地帯のスイスは、農業の生産環境が豊かであるとは言えず、平時から国民の食料確保のために、自治体には耕地の保全が義務づけられ、食料安全保障が憲法にも規定されるなど、農政を国家的基盤政策と位置づけられています。その上で2014年には、供給保障支払い制度を設け、生産に対して基礎部分が支給されています。  例えば本県において、燃油・物価高騰やコロナ禍に対する緊急的なセーフティーネットの資金調達支援ではなく、有事の備えのために、平時から食料安全保障政策として、スイスの供給保障のような生産体制を維持する取組も必要ではないかと私は考えておりますが、知事の所見を伺います。  次に、機械化による生産性向上策についてです。食料の安全供給を考える上で、生産性の向上も重要な課題であります。本県の西部地区は西日本で一番のブロッコリーの産地であります。同じく一大産地となっている白ネギは、植付けから防除、収穫まで機械化されていますが、ブロッコリーの場合は収穫だけは機械化ができておらず、人手に頼らざるを得ません。  収穫期が限定されるデリケートなブロッコリーの生産量を伸ばしていくためにも、収穫の機械化など、労力の軽減と生産効率の向上が望まれるところであります。スマート農業を含めた技術革新・開発、実用化に向けて、本県ではどのように取り組んでおられるのか、知事にお尋ねします。  下水汚泥の資源の活用ということで、最後に、下水汚泥の肥料などの資源活用について伺います。  先頃、国土交通省が農林水産省など関係機関と共同で、下水道の汚泥からリンを回収し、農業用肥料として循環させていく未利用資源活用策について検討を始められました。  農家にとっては、下水処理場で重金属などの処理がきちんとなされ、肥料成分の品質管理や供給量などの安定化を図ることができれば、下水由来の汚泥肥料は窒素やリン酸成分が豊富で作物の育ちがよい、また、化学肥料を購入することを考えれば安く手に入るといったメリットもあります。昨今、化学肥料高騰などを背景に、非常に注目すべき取組であると思います。  国交省などは、この年明け1月にも下水汚泥の肥料利用について、設備費や運営費の全額を国費で賄うものとして、自治体向けに実証事業を公募開始するとのことであります。ぜひ本県も名のりを上げてはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員の一般質問にお答え申し上げます。  まず冒頭、鳥インフルエンザにつきまして、我々に対する激励をいただきました。私どものほうからも、このたび急遽ではありましたが、緊急上程をさせていただいた追加補正予算を7億円お認めいただきました議会の皆様に対しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。  機動性を生かしてやっていくことが、鳥取県の唯一の生きる道だと思っております。今回は即断、即決、そして迅速に立ち向かうという、そういう闘いを余儀なくされたわけでありますが、短期決戦で一定程度の成果を収めることができました。しかし、大山町内も含めまして、やはり養鶏場は県内各地にございます。今、全県でまだ鳥が行き交うところでございますし、実は鳥インフルエンザというのは特徴がありまして、今の時期、罹患が続くこともありますが、またもう一回、北帰行で鳥が帰るときですね、また次の山もやってくるということでありまして、当分、気が抜けないことになります。農家の皆さんも大変だと思いますが、私どもが一体となって取り組んでまいりたいと思います。  農業につきまして、何点かお尋ねがございました。食料安全政策として、スイスだとかフランスの例を挙げられまして、生産体制を維持する取組というのが重要ではないかというお話がありました。また、ブロッコリーの生産量を伸ばしていくために、労力の軽減、生産効率向上のためのスマート農業等々、どういうふうに考えていったらいいのかと、こういうようなお話でございます。  これらにつきまして、現状、確かに世界情勢は変わってきていると思います。一つ大きな話としては、やはりウクライナに対するロシアの侵攻でありまして、これが黒海の海上で封鎖をすることで、世界中の食料事情、小麦等に影響が出ました。また、実は南米はトウモロコシの作付不良がございまして、やはり供給の問題というのが世界的に起こっているわけです。また、需要側の問題もありまして、我々が買い付けるときに非常に重要なのは、近隣の状況でありますが、中国は買い付けに回るほうであります。人口が多い国が食料事情もよくなったということかもしれませんが、いろいろと食料を買ったり、あるいは肥料や飼料、こういうものの買い負けが日本側に起こると、こういう現象も出てきている。そこにもってきて、また、インドというのは本来小麦の生産国であり、輸出国でありますが、こちらのほうも作付事情があまりよくないということで、国内での囲い込みに動いているという状況があります。こういう様々な事情が重なり、それが肥料だとか飼料にも影響しまして、食料安全保障ということが声高に叫ばれるようになったわけであります。  そういう意味でシステムをどうするかというのは、国で大きな議論をしていただく必要があるだろうと思います。議員のほうで御指摘がありましたフランスであれば、価格政策の中に、こういう様々な事情を入れて、要は農家が倒れないように価格面から保障していこうというやり方が取られています。日本もかつては食糧管理法などがございまして、これによって米作りというのは、作っていれば決して倒れることはないということだったのですが、それに対する国庫の支出が増えるということもありまして、事実上、これは今、廃止されているところであります。そういうような意味で、ちょっと日本とフランスとではやり方が違うのかもしれません。  そして、スイスのお話がありました。スイスは、実は5年前に憲法改正をしまして、その憲法の中で、今おっしゃる食料安全保障的な条項というのは入ったわけであります。これに基づきまして、農地を守るという、言わば日本流にいうと直接支払いということが主流として行われまして、これが農家の収入を支えている、自治体的にもその保障をしなければいけないという仕組みになりました。これは、実は裏の事情があるわけでありまして、スイスはヨーロッパアルプスの国でありますから、私どもでいうと、もう全部中山間地ということですね。だから農業効率が悪いわけです。それで、ただでさえ放っておくと結局衰退してしまう。そうすると食料が生産されなくなる。しかし、スイスは永世中立国という事情がありまして、EUに加盟していないわけであります。したがいまして、外国との言わば依存関係の中で、食料を保障されているとはちょっと言い難い状況がありまして、それで、独自にそうした直接に農地に対する保障をするというやり方を取っておられます。  日本も中山間地の直接支払い、こういうものが発端になりまして、この手の新しい支援の在り方というのが、ここ20年、30年、導入されてきているところであります。ただ、多分これに全部依存するわけにもいかないのも実情だと思います。  今、そういう中で国も食料安全保障のために、ではどういう解決策をつくっていったらいいのか、それで食料・農業・農村基本法の見直しをすると岸田総理が宣言をされました。農林水産省が今慌てて審議会を動かして、その審議が進められているところであります。この中に食料安全保障の考え方が入ってくると思うのですが、その法律の基本理念として書かれていますのは、食料の安定供給ということ、それからまた多面的機能の発揮、そういう意味では直接支払いに影響するような話、こういうことなど、幾つか基本的な理念というのはありまして、これに基づいて議論がされるのだろうというふうに思います。  ちょっとまだ、どういうふうに議論が進展するかは分かりませんが、私どもも国のほうに対しまして、安定的な食料生産ができる体制づくり、そういう意味で生産基盤の強化であるとか、畜産でいえばクラスター事業とかも含めて、そしてスマート農業等と、そうした手法の導入、省力化や付加価値の拡大等々、こうしたいろんな農業の抱える課題につきまして、政府のほうにもしっかり要望させていただきながら、新しい食料・農業・農村基本法の考え方、食料安全保障の考え方というものを国のほうで取りまとめていただけるようにさせていただきたいと思っております。  そして、ブロッコリーの生産につきましてでございますけれども、これについては、例えばandAgriの林原さんであるとか、それから、逢坂アグリ組合の永見さんなど、ブロッコリー関係でも導入されている方々がいらっしゃるわけでありますし、議場でも議論していただきましたが、そうしたスマート農業を、ブロッコリーを一つの手本にしながら支えていくような、機械化導入事業というのをやってきております。  そういう中で、生産効率を上げまして、そのお二人の会社や組合ですね、今後、面積の拡大を図って、さらにそのブロッコリー生産というものを効率化して、生産量を上げていこうという、今、戦略に出ておられます。  私どももそうしたスマート農業というものを今後も応援をしていければというふうに思っております。  ただ、この機械化というのはなかなかできるものとできないものがあります。例えばまずは耕うんするとか、基盤を整備していくこともあれば、実際に収穫作業というのは重要な機械化の柱になると思うのですが、ブロッコリーの場合は花蕾、つぼみを取るということでありまして、その辺のやり方が実は難しいんですね。だから、従来、ここに機械化が十分できていないところがございます。  現在、全国的には県内というわけではありませんが、そういう花蕾のブロッコリーの収穫を機械化しようというプロジェクトが動いておりまして、まだ発売されているということではありませんが、こういうところにブロッコリー農家の皆さんが、その情報を得に行かれる、こういうことを今やっている真っ最中でございます。今後もそうした取組を支援させていただきながら、しっかりと作業の効率化や省力化、機械化というものを応援していきたいというふうに思います。  現在、そのブロッコリーにつきまして、重点的にやっているもので、今年度は51件の採択事業の見込みになっておりまして、昨年度よりも倍の伸びになってきているというふうに御理解をいただきたいと思います。  そして、最後に国交省のほうで下水道汚泥を利用して肥料にしていく、そうしたもののパイロット事業をやろうとしているので、実証事業の公募に名のりを上げてはどうだろうかと、こういうお尋ねでございます。  これにつきましては、特にリンの回収というのが課題になっています。もともと下水道法の考え方で、こういう汚泥等のリサイクルということは言われておりまして、こういう肥料等に使うこと、それから、そうでなければ燃料として活用するということも含めて、実はそういう法体系にもともとなっています。日本自体、古くから堆肥の循環利用ということを農業でやってきたわけでありまして、そういう系譜を今も実はしょっているわけですね。ただ、それがかなりシステマチックになってきていて、下水道というかなり大きなものの中で回収なり循環利用していくということについて、一定の工夫が必要なわけです。  今、ウクライナ情勢のこともございまして、そういうリンなどの生産が非常に難しくなってきたということでございまして、これを入手するのに、国内生産、国内回収ということをやはり進めなければいけないのではないかと、国全体が今、動いているところでございます。そういう意味で、MAP法という手法を使ってやろうというのが、今、国交省が考えていることであります。これは、リン酸マグネシウムアンモニウムという形でリンを回収していこうという手法なんですが、かなり大がかりなものになると思われます。  これは、まず国がパイロット事業で実証してくださる意味でプラントを造ってくれるということなのですが、その後の、実は運営自体は地元のほうで引き継いでやっていかなくてはなりませんし、さらにその供給先というものがないと、後々採算が取れなくなります。この辺は、だから、よくそれぞれのサイトで熟慮していただく必要があるのかなと思います。そういう意味で、御質問もございましたので、我々でいえば天神川流域下水、それから、各市町村の下水や農業集配などありますが、御意向というものは、今回のこの募集が立っていることにつきまして、県のほうからも案内をさせていただき、それぞれの検討を我々も求めていければなと思います。  ただ、現実はなかなかそう簡単ではなさそうであります。実は、全国でこの汚泥からリンを回収しているのは、5つの自治体にとどまります。そのうちの一つが、何と鳥取市なのですね。鳥取市はこのMAP法ではない別の手法を取っています。灰アルカリ抽出法ということでございますが、リン酸カルシウムを回収するというやり方を取っておられます。  実は、JAさんと協働してやるもくろみもあったのですが、なかなかちょっと作ったはいいけれども、そこのマッチングができておりませんで、実は回収したものを肥料にするというときに、その肥料にする技術やプラントというのは県内には残念ながらありません。そういう意味で県外へ持っていくと。だから作ったものが県内に実は今、還流しているという状況には必ずしもなっていないということがあります。  そういう意味で、非常に意欲的で注目に値する事業なのですが、鳥取市の場合、今のところ採算には合っていないというふうにお伺いをいたしております。ですから、そういう意味でよくよくちょっといろいろな事例なども調べながら、それぞれのサイトで御判断いただき、もし手を挙げるということであれば、我々も応分の協力をさせていただくのかなというふうに考えております。  ちなみに、山陰ではあと島根県がやっています。宍道湖東部の下水のプラントでされていますが、これは今、国が募集するMAP法と同じ手法になります。これはなぜやっているかというと、採算よりも、宍道湖の水質問題、米子も同じ問題を抱えていまして、中海にそのまま出すことがどうかということで昔から議論があるのですが、そういう意味で、富栄養化防止にそれを回収していくと、そういうような観点で始められているところがあります。いろいろとそれぞれのサイトの事情があると思いますので、つないでまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)そういたしますと、知事の答弁で、意欲的に国に要望を重ねていかれるということを聞きまして安心しておるわけでございますけれども、この苦しい今、農業情勢において、農家の気持ちとして一言吐露しながら、その状況を知事に訴えたということでございます。ちょっと一言ですけれども、新聞の記事に、農家の気持ちを書いてある記事がございました。それは、酪農家のことでございまして、スーパーの安売りの目玉商品のいわゆる牛乳でございますけれども、酪農家にとってはということで、最近やっとメディアで農業の苦境をよく伝える酪農について、NHKあるいはTBSなどで二重苦、三重苦と言えるということで、現実は二重苦、三重苦をはるかに超えた七重苦ではないかという、限界を超えているということで、テレビが報道しておりました。七重苦というのは何だということでございますが、1番目に、生産資材の高騰。一昨年に比べて肥料は2倍、飼料は2倍、燃料は3割高。2番目に、農産物の販売価格は低迷し、コストが暴騰しても価格転嫁ができない。3番目に、副産物収入の激減で、乳雄子牛の価格の暴落。そして4番目に、強制的な減産要請、搾っても授乳してもらえない。5番目に、乳製品在庫処理の多額の農家負担金。これは北海道ですが、脱脂粉乳在庫の処理に100億円規模の酪農家の負担が要ると。6番目に、輸入義務でもないのに続ける大量の乳製品輸入。低関税を適用する枠を最低輸入義務とし、国内在庫が過剰でも莫大な輸入をしている。7番目に、他国で当たり前の政策が発動されない。コスト高による赤字の補填で政府が在庫を持ち、国内外の援助に活用するという政策が唯一ないのが日本だというような記事が出ておりまして、本当に苦しい内情だと思いますし、腹立たしさもあるというのが私もよく分かりますので、知事から国に要望を重ねていかれるということを聞きまして、引き続きよろしくお願いしたいと思います。これはこういう記事があったということでございます。  次に、スマート農業の実践事業についてでございますが、本当に農業の求める作業機械の開発や普及に向けた取組に予算化されているか疑問であります。ドローンや自動運転トラクター、アシストスーツなど、手っ取り早く実績を上げておくための予算になっていないかという点であります。  これも新聞記事ではございますけれども、以前読んだ中に、イセキ、ダイハツ、モンベル等のメーカーが、女性農業と話し合い、扱いやすい女性に優しい農機具、農具の共同開発をしたというような記事が出ておりましたが、様々な生産現場で、それぞれ課題に合わせた機械化が求められるはずであります。その課題を解決し、県内生産の生産性向上につなげていくための予算という原点に立ち返った施策をお願いしたいと考えます。  本来であれば、国や県がメニューを出すのではなく、農家の求めを反映させていくような事業化や予算編成としていくべきものであると思いますが、特にスマート農業の取扱いについては、県として生産の声をどのように拾い上げてこられたのか知事にお尋ねしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から重ねてのお尋ねがありました。  酪農につきましては、大変に危機的な状況が強まっているというふうに思います。そういう意味で、本議会のほうにも度重ねて補正予算などをお願いさせていただいておりますが、畜産経営緊急救済事業ということを、県のほうでもさせていただきまして、現在までで大体8億3,000万円ぐらい予算を確保して、かなり大型の支援をさせていただいております。  国のほうでも、こうした飼料高等の状況に鑑みまして支援措置を取っておられますが、特に北海道ですね、先ほどおっしゃった状況がかなり色濃くあるというふうに伺っております。  先般、サウナ学会がありまして、帯広のほうに参りましたが、そこは畜産地帯、酪農地帯でございまして、酪農経営が今非常に深刻な状況ということが語られていました。あちらの場合は、それこそ生産調整をさせて、それで生乳も引き取ってくれないとか、そういうようなことがさらに追い打ちをかけているわけです。  本県の場合はさっきの7項目ほどはないですが、同様の状況というのはやはりございまして、これも畜産の関係と一緒になりまして、きちんとフォローできる体制というのをつくっていきたいというふうに考えております。  スマート農業の展開というのは、農業全般の一つの解決策になり得るものですし、特にやはり農業生産を上げていくためには、生産効率に寄与する、そういうスマート化が欠かせません。あわせまして、農業経営自体も割と規模拡大というのが、集落営農だと進んできておりまして、そういうものになじみやすくなっている、そういう農業も出てきているということであります。  例えば西のほうでいいますと、福成農園さん、こちらのほうでは米とかあるいは白ネギだとか、そうしたものをされておられます。そういう白ネギなども科学的に生育状況を調べながら、また自動操作によりまして生産効率を上げていくことなどによりまして、3割ほど収量アップしているということになってきました。  お米につきましても、お米の分野でスマート農業で評判がいいのは、食味だとか、そういうものを判定しながら収穫していくコンバインでございまして、こういうものなどを駆使をして、それで例えば施肥のやり方だとかを工夫していくと。こういうことにより生産コストを下げたりということも可能になりますし、付加価値を高めていくことにもなります。  こういうようなことなど、いろいろと農業の現場でも実証事業がなされるようになってきました。現段階でも、そうしたスマート農業の実証事業等の状況を共有する、そういう言わば勉強会的な集まりを持って、そこにまた農業も集まられまして、これをやってみようかということをいろいろと話し合ったりして、それに県のほうの助成事業を国の支援も得て、ぜひ拡大をしていきたいというふうにやっているところでございます。  これは結局、現場で必要となるものに即して、そういうスマート化というものをやっていく必要があるわけでございまして、議員がおっしゃるように、農業のニーズに合わせた柔軟な補助金執行等ができるように、私どもも細心の注意を払ってやってまいりたいと思います。  昨年度は、農業のほうから、非常に要請の多かったドローンの研修会等もさせていただきました。恐らく10年、20年たつと、大分農業のやり方というのは変わってくるのだろうと思います。そういう意味での今、一定の投資をしたり、研修によって技術の習得を産地全体でやっていくことというのは非常に重要になってくると思います。  今、政府のほうの食料安全保障の動きもある中で、しっかりと地域の生産基盤というのを整えてまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)まず、下水道処理についての話でございますが、今日は具体的な県内の状況というのを聞かせていただきましたが、刻々と国のほうもいろいろな状況で、例えばペレット状の肥料にするのにも助成をしたいというようなこともあったりしておりますが、新たな注目にも目を光らせていただきまして、有効なものは取り入れていただきたいなと思っております。  それで、ただいまのドローンのことについてですけれども、初めにドローンがあって、コンバインがあってというような話が、私もこういう立場でおりますので、このメニューに止まるものはさばれということで、国が指されたものにメニューがあるから、補助があって半分になるからというようなことでさばっていくというのが本当の現状ではないかなと思います。  そうではなくて、自分たちがこれをこうしたいから、こういうドローンの機械を入れるのだという、そこの初めの段階の違いが後まで響いてくるのではないかなと思いますので、その辺のボタンの掛け違いではないですけれども、初め、農家がこういうことをしてもらいたいのだから、お願いということをいろいろな補助事業の中に聞いていただきたいなというところでございますので、そこのところが私は言いたかったということでございますので、そこをよろしくお願いいたします。  次に、堆肥のことについてお伺いしたいと思います。  今回の自民党代表質問で語堂議員も質問されておりましたが、県内各地で堆肥センターの老朽化が目立つところになっております。これまで衛生管理に気を遣うことや臭い等のこともあって、やや嫌われがちな迷惑施設のようでもありましたが、農業生産には必要不可欠であり、脱化学肥料の観点からも、今後さらにその価値が見直されると思います。堆肥を畜産の嫌われではなく、成分も安定し完熟した宝物に生まれ変わらせて、鳥取県の星空舞栽培やネギ、ブロッコリーに施した農産物を、本県独自の耕畜連携によるブランド品として宣伝し売り出していくなどの方法もあるのではないでしょうか。  特に今、みどりの食料システム戦略が始まったばかりです。これまでの堆肥センターでは、全体の8割ぐらいしか利用されていなかったように聞いておりますが、堆肥を作る段階から、希望利用の取りまとめまでしておくことも大切でしょうし、農協や地元市町村との協力連携も必須です。肥料成分の安定化など、品質管理された質の良い堆肥が安定供給されるためにも、今後、地元のニーズとして、老朽化している堆肥センターの新設や改修、機能拡充などがあるものと考えます。耕畜連携を推進していく上でも、県として何らかの対応を考えていくべきだと思いますが、このことについて、知事の所見を伺いたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
     平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)鹿島議員から重ねてのお尋ねがございました。  スマート農業につきましては、そこは順番を間違えないように、農家が必要としている技術、それについて支援がなされる、その裏打ちとして効果があるもの、その実証事業などを通じて見えてきたものなども情報共有していくと、そういうことが重要ではないかと思いますので、そういうふうに現場のほうに申し上げてまいりたいと思います。  堆肥の利用等につきまして、重ねてのお尋ねがございました。  これにつきましては、大山町さんは独自に町独自でも支援をされたりして、そういう意味でかみ合ってきている事業が幾つか出てきていると思います。そういう意味で、みどりの食料システムの、要は先行事例が出てきている、それが鹿島議員がおっしゃるブロッコリーなのかなというふうに思います。  大山のきらきらみどりというブランド化したブロッコリーがありますが、あれは実は減農薬をしまして、代わりに堆肥を10アール当たり2~3トン使うということで、言わば自然に近い特別栽培ということをされるわけでございます。えぐみの問題だとかいろいろありますので、いろいろ工夫をされた上で、農業というのを確立してこられてブランド化されましたが、これによって、200円、300円単価が上がってきていると。そういうように市場でも評価をしてもらったり、上手な売り方をされているということだろうと思います。こうなりますと、農家のほうもこの循環利用としての堆肥の活用というのが見えてくるわけであります。  なかなかその辺がまだうまくかみ合っていないわけでありますが、確かにそうした意味でもっと消費者の理解を得ながら進めていったり、生産の高度化につなげていくということは、実は可能なのかもしれません。大山の白ネギの永田部長さんもやはり土作りに、堆肥の利用を進めておられまして、それによって収量を5割程度上げているというふうに伺っております。そこはやはり、そうした技術を生かして、産地としてそういう循環農業、みどりの食料システムというものの推進をしていくべきだと思います。  12月6日にこのみどりの農業につきまして、戦略会議を全県的に持ちました。年度内にその基本計画を取りまとめるような方向にしております。その中で議員がおっしゃるような堆肥施設につきましての高度化なども考えていくことになろうかと思います。今現在、具体的にはJA鳥取中央さんが大きな堆肥の処理施設を更新して、統合していくという方向で動いておられまして、そこに議員もちょっとおっしゃいましたが、ペレット化なども入れて、従来の慣行栽培とうまく組み合わせていけるような、そういう手法によって、例えば米農家なども使えるとか、そういうように幅の広い用途を求めようとしておられます。  こういうような新しい取組を、ぜひ我々も思い切って支援もさせていただきながら、議員が目指しておられる、そういう循環型の農業、これによって付加価値を生んだり、農家の収益アップにもつながるような、そういう道をぜひ模索してまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)14番鹿島議員 ◯14番(鹿島功君)大体、私の意図した回答をいただいて、これ以上に質問があるわけではありませんけれども、畜産農家の中では養鶏もあり、和牛、酪農、養豚といろいろありまして、堆肥というものが必ず出てくるわけでございますが、堆肥を使う側といたしましては、野菜農家とかほかの農家はこのミックスした堆肥が一番最高の堆肥になります。これを完熟させた土は、今言ったように、知事が言われたように、本当にいいものができます。味もいいし、甘い、そして厚い野菜ができ、そしてまた病気に強いということもあります。大変な干ばつがあってもしっかりと耐えられるし、それから長雨が来てもさっと水が引いて、立派な根を張って大きくなるという、本当に篤農家が長年築いてこられた土というのは、自分でそういう堆肥を作って施してやってこられたという、それが篤農家のようでございますので、これを逆手に取って、知事がいつも言われておられます星空舞、その他、いろいろな野菜、特産物をそういう土作りから始まった産品ですよということで、トップセールスしていただければ、本当にますます値が上がる、あるいは自慢できる鳥取県の産品となるのではないかなと思います。  これには答弁は要りませんので、ぜひしっかりと応援いただきますようによろしくお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時より再開いたします。        午後0時02分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  24番浜崎晋一議員 ◯24番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)鳥取県議会自民党、浜崎晋一でございます。  本日、昼一番でありますが、最後の質問ということになりましたので、お付き合いをよろしくお願い申し上げたいというふうに思うところでございます。  年の瀬も迫りました。令和4年もあと半月ほどで終わるという状況であります。今年を振り返ってみますと、折からのコロナ禍による物流停滞・供給停滞に伴うインフレ圧力の中、2月にはロシアによるウクライナ侵攻、3月にはアメリカの政策金利引上げがありました。その影響で円安がどんどん進みました。先月には、約40年前のオイルショック末期以来の物価上昇率を記録したというようなことも言われております。国内では、新型コロナ感染症はオミクロン株による流行の3つの大きな波を受けております。国民・県民は繰り返し行動自粛を余儀なくされ、個人消費は伸び悩んで、インバウンド需要も見込めない、我が国の経済はまるで金縛りの中でもがき続ける1年だったかのように思うところでございます。  また、今年4月には民法が改正されました。明治以来続いておりました20歳で成人から、成年年齢が18歳に引き下げられました。そして7月には参院選の期間中に、あろうことか安倍元総理が銃撃される、大変ショッキングで民主主義の根幹を問われるような事件も起きました。  こうした世相や報道に触れる中、若者や子供たちも政治・経済・国際情勢は激動の中にあることを何かしら感じ取っておられるのではないかというふうにも思うところであります。  本日はそのような観点から、本県の将来を支える若者が主役の県政に向けて、国際人材の育成や若者のロールモデルとなる高齢世代が輝ける取組、さらには共生社会の実現を目指して、本県の未来をどのように築き、本県らしい地方創生をいかに実現していくのか、平井知事及び足羽教育長と議論をさせていただきたいと、そのうように思うところであります。  それでは、本題に入りたいと思いますが、さて、4期目となりました平井知事の任期も残り僅かとなり、次の2月議会で編成される当初予算が現任期の最後の予算となります。そこで、現任期における財政運営の総括についてお伺いをしたいと思います。  平井知事はこれまで毎年度、当初予算編成の際、財政調整型基金残高の積み上げ、県債残高の抑制、プライマリーバランスの黒字化といった財政誘導目標というものを掲げて財政運営をしてこられました。  ここ2~3年については、補正予算も含めて国のコロナ関係の交付金などを賢く財源に充てられて、令和4年度末を迎えようとしている現時点において、財政誘導目標の達成見込みには一定のめどが立ってきているのではないかというふうに私も推察をするところであります。  ただ一方で、国です。国債がかさんでいる国の財政状況を鑑みますと、コロナ関係の交付金などがいつまでも続くというふうには考えられません。本県の財政は引き続き、そういった意味では厳しい状況が続くものと思います。  そこで、本県において、厳しい中でも健全な財政運営を続けていくために留意すべきことは何であると認識されておられるのか、平井知事の御所見をお伺いしたいと思います。  あわせて、今議会の補正予算の財源では、国の補正予算で新たに交付されることとなった地方交付税40億円が充てられております。財政基盤が脆弱である本県にとっては大変ありがたい措置であるとは思いますが、この時期に地方交付税が新たな財源として国から交付される意義、また、今後の本県の財政運営に与える影響等について、平井知事はどのように捉えておられるのか、まずお尋ねをしたいと思います。  次に、人口減少時代において、未来を切り開いていく本県らしい地方創生の在り方として、その基盤となる人材、若者の県政参画についてお尋ねをしたいと思います。  知事はこれまで、県民が主役の県政を標榜され、パートナー県政の推進に注力してこられました。一方、私はかねてより、本県の未来を担う若者が県政を自分事と捉えて県政に意見を届けることが当たり前になってこそ、将来に向けた本県らしい地方創生が実現できるものと考えてまいりました。そうした観点から、今コロナ禍で社会のありようや世の中の価値観が大きく変容する中で、アフターコロナの時代に地方が輝く社会を構築するためにも、若者が主役の県政を展望することが不可欠であるというふうに考えております。  ちょうど先月、知事は、高校生や大学生などの若者が多数メンバーとなったパートナー県政推進会議の開催をされたところであります。会議の中で、例えば「県外から進学を機に鳥取に来た学生に対しては、鳥取での就職を繰り返し強調するよりも、学生自身に鳥取県のよさを実感してもらう手法の検討のほうが大事だ。」といった意見や、「10代から20代の転出の割合は増えているけれども、30代以降など、子育て世代では鳥取への転入が増えており、高齢が支える側となって活躍していただく視点も大事だ。」というような趣旨の意見もあったというふうにお聞きをしております。  県としても、こうした若者の意見に呼応して、さらに具体の施策を講じていくことで、若者に対しても分かりやすいメッセージとして、若者の声が反映され、若者が地元に定着する鳥取県につながっていくのではないかというふうに思うところもありますが、このような若者の県政参画、県政に対する意見の反映について、どのようにお考えであるのか、知事にお伺いをしたいと思います。  次に、令和6年に本県で初めて開催されます全国健康福祉祭、ねんりんピックについてお尋ねをしたいと思います。  世は人生100年時代であります。高齢が心も体も健康に活躍する社会を構築することが、本県らしい地方創生の取組の一つではあると当然考えるわけでありますが、生き生きとした高齢の姿は、後に続く世代の人生モデルとして、年を取ることをネガティブに捉えるのではなく、豊かに年を重ねることで人生は楽しくなるような発想へと転換させていく力があるものではないかなというふうに思うところであります。そして、そのきっかけになり得るのが、このねんりんピックではないかと期待を寄せるところであります。そういう意味でも、ぜひこの一大イベントを実りあるものとしなければならないというふうに思うところです。  コロナ禍の収束が見通せない中であり、準備も大変難しい部分はあるかもしれませんが、多くの人が本県を訪れるこのねんりんピックの大会は、コロナ禍で疲弊した本県の経済にとっても起爆剤として、何よりも県民の意気高揚、またモチベーションの向上へとつながるものではないかというふうに思うところもあります。大会のPRキャラクターとして起用されます、あおやかみじろうの発信力も生かしながら、いよいよ大会開催に向けた準備にも腰を据えて本格的に取り組む段階に入ってきたというふうに思いますが、コロナ禍の影響の中で開催された今年度、神奈川大会の運営状況も踏まえて、今後どのように機運を盛り上げていかれるのか、知事の御所見をお伺いしたいと思います。  壇上での最後ですが、強度行動障害を有する方の在宅支援を通じた共生社会の実現について、お尋ねをしたいと思います。  障害総合支援法が令和3年4月に施行されたことに伴って、強度行動障害を有する方の地域支援体制の在り方や支援人材の育成・配置などについて、厚生労働省が検討会を開催いたしました。そして議論が進められるところとなりました。この検討会の委員として、日本自閉症協会の理事であり、鳥取大学大学院の医学系研究科におられる井上雅彦教授が委員として参画しておられるのは、御案内のとおりであります。井上教授は、10月の第1回検討会の場で、本県の例を引いて次のような意見を述べられました。  強度行動障害を有する方に対する地域の中での日常的な支援体制とし、グループホームや施設などの役割、課題においては、鳥取県が平成29年と令和3年に全県的な悉皆調査を行っており、高齢が増加傾向にあること。また、30代から在宅の方が急激に減っており、20代、30代の方に対する在宅支援をしっかりやっていく必要があること。入所施設自体も定員枠はあるものの、人材不足のため入所できない状況があること。鳥取県では2年前の令和2年度から試行的に在宅強度行動障害支援事業として、在宅で支援につながっていない人たちに対して、支援チームを組んで訪問支援を行っていること。そしてその中で特に支援が難しいのが、保護の方に対するメンタルな支援や、施設と保護との間の信頼関係の構築であること。  井上教授の発言にも引用されておりますが、本県において、平成29年度と令和3年度に行われました全県的な悉皆調査のうち、平成29年度の調査では、県内に強度行動障害を有する方が531名おられるという結果だと伺っております。令和3年度の実態調査結果は私どもまだ確認しておりませんが、令和3年度の実態調査結果を含め、知事は県内の強度行動障害の現状についてどのように認識しておられるのかお伺いし、壇上での質問とさせていただきます。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員の一般質問にお答えを申し上げたいと思います。  まず最初に、今年1年を振り返られまして、議員のほうから、例えば成人年齢の引下げであるとか、あるいはコロナや物価高等々、世相について非常に厳しいものが市民生活に降りかかっていると、こういう御認識をおっしゃったところでございます。  「限りなく降る雪何をもたらすや」と西東三鬼さんは詠んでおられました。中国山地の津山の御出身の方でいらっしゃいます。あしたの未明から、また、この鳥取県は雪の季節を迎えるのではないかと思われます。ぜひ御注意をいただきたいというふうに思いますが、そういうように幾らでも雪が降ってくるかのように様々なことが降り注いだのがこの1年ではなかったかと思います。だからこそ議員は、例えば財政の問題や福祉の問題、それから若者の参加などを通じて未来に向けてもう一度体制をきちんと立て直していくのが我々の役目ではないかと、こういうことを御示唆いただいたものだと思います。これまで浜崎議員にもいろいろと県議会におきまして御貢献をいただきましたが、福祉の問題や、あるいはスポーツの問題等々、先陣を切っていただきました。そういうエネルギーをもう一度発揮するのが恐らくこれから向かうべき年になるというふうに思います。ぜひそうした意味でよき年が巡ってくるようにと願うところであります。  そういう中、その基礎条件となります財政につきましてお尋ねがございました。本県において、厳しい中でも健全財政を続けていくためにはどういうことに注意したらいいのか、現状では財政誘導目標のほうはクリアできるのではないか、こういうお話がございました。  この財政誘導目標につきましては、浜崎議員と一緒に初当選組でございますので、ずっとその過程を共にしてまいりましたが、就任した頃は、お互いここに集まった頃には借金は4,711億円あったわけであります。それが3,610億円というのが昨年度末の状況であり、今現在の足元でいいますと3,590億円台というふうに3,600億円を切る状況になってきております。実にそういう意味で1,100億円といったベースで切り下げることができたわけでありますが、これは集中改革プランという重点的な行財政改革を当時からやってきた、その成果でもございます。議会の御信頼、御協力を得ながら進めることができた、その成果であろうかと思います。  その中で、貯金のほうにつきましても今現在は222億円でございますが、これも誘導目標の210億円を上回る規模ということになります。借金は減らして、貯金は残していくと。これによって分かりやすく県民の皆様に財政の健全さというものをお示しをしながらやっていこうということであり、今は黒字のプライマリーバランス、これも今年度25億円計上しましたので、そういう意味で財政誘導目標の達成はほぼ手中にできたかなという状況でございます。  これで次の期の皆様に、そうした健全な財政を引き継ぐことはできたわけでありますが、実は我々、浜崎議員とここに至る手前の段階では大体毎年100億円ぐらい貯金を崩していました。かつては1,000億円という貯金のレベルが見る見る減っていったというのがその以前の段階であり、借金も増えていったということでありました。かなり厳しい道のりだったと思いますが、不要不急の事務を整理したり、行財政を筋肉質にスリム化していくということなどでこれを果たすことができたわけでありまして、ではこれから何をというお話であれば、こういう努力は続けるべきではないかということだと思います。  例えば以前、我々が最初に取り組んだのはこの庁舎の問題でありました。議会棟も含めて庁舎を建て替える、そういうのが我々が就任前のプランでありましたけれども、それは結局、長寿命化ということで方針を切り替えることによりまして、これで莫大な資金を浮かすことができたわけです。そういうようなことでいろいろと工夫をしてきた、そういう努力は続けていくべきでありまして、例えば長寿命化であるとか公共施設の適正配置であるとか、最近は民間活力の導入ということも議会のお導きによりまして前進させてきたところであります。こういうことなどを積極的に今後も展開していくことがまず一つだろうと思います。  経済や財政の見通しということでありますが、これについては現在はまあまあの線だと思いますけれども、これが果たして今後どうなるか、それは今後の経済成長から考えますと、どちらかというと不透明感が強まっている。これは世界情勢の問題があります。ただ、これにどういうふうに立ち向かっていくのか、そういう意味で賃上げだとか、それから経済のパイを大きくする新しい資本主義の手法が今言われているわけであります。デジタル化を通じて本当に生産革命を起こすことができれば、私どもの地域も含めて産業の活力は伸びていくことになろうかと思いますが、まだまだ正直、不透明感があるということは前提にしなければなりません。  財政につきましても、議員がおっしゃいました地方創生臨時交付金で何とか今もっているのではないかという御指摘であります。実際、そういう側面もあろうかと思います。そこに私どもとして活用していくのは当然なのですけれども、その後のことを考えますと、最近は国のほうはこの積み増しということに非常に消極的になってきていると。もちろんコロナが収まりつつあるということもありますが、大都市部のほうではこれを貯金に積み上げているのではないかというふうに、国では財政当局が言うようになっております。その辺につきまして、ある意味足かせがかかりつつあるところでありまして、なかなか思うように伸びないのではないかということであります。そういうことをやはり我々としては前提に置かなければならないのだろうと思います。  そういう意味で、非常に厳しい中、議員が御指摘をされた地方交付税40億円を今回計上させていただいた、そのことからかいま見えるものは何だろうかということであります。今回の40億円は、税収が国税で上振れをしたことによります。それで、上振れをした分のうちの5,000億円を地方交付税の増額に使うというふうに岸田政権が判断をしたということによります。これを我々のほうで計算しますと、鳥取県は40億円程度ではないか、ではこれを全額計上して、物価高騰対策や燃油高騰対策などに、厳しい状況にある私どもの地域に産業振興、あるいは生活困難対策等を市町村と共同してやっていこうと、こういうことになるわけでございます。  こういうように一定程度税収の好調さということはあって、それから1兆9,000億円の上振れのうち1兆4,000億円は翌年度に繰り越しながら、恐らく臨時財政特例債の縮減に回ってくるのではないかとも思われます。長年、借金で何とかつないでいく一般財源、交付税というものから脱却していくという方向性が出てくるかもしれませんが、また他方で、もうこの辺でそろそろ足かせがかかってきて、交付税なり、一般財源を私どもが確保するのが困難を生じるかもしれないということも気になるところであります。  かつて地方財政ショック、地財ショックと言われた時期、平成16年から18年にかけましては、本県では240億円余り減収になっております。小さな財源規模でありますので、非常に厳しい状況が生まれました。同じようなことが今後も起きないとは限りませんので、そういう意味で議員もおっしゃられますが、やはり一定程度警戒をしてやっていくということが必要なのだというふうに思います。  そういうことによりまして、例えば財政の硬直性をできるだけ回避していくと。本県の場合、経常収支比率という財政硬直度を示す比率が浜崎議員と私が就任した頃は92.8%という数字であったものが、現在は82.8%、10ポイント下げまして、全国第2位まで急速に向上しているところであります。だから、やってきたことは多分間違いではなくて、苦しいながらもこれまでリーマンショックなどをくぐり抜けて、財政の硬直化は避けてくることができました。ですから、そういう意味で臨機応変に対応していくことの大切さがあるのだと思います。  またあわせて、交付税5,000億円に基づく40億円、こういうものを基にしながらどういうような現在への対策を取るかということもあろうかと思います。そういう意味で例えば生活困難対策に対しまして、今後、社会福祉資金の貸付金の返済時期が入ってくるわけでありますが、それに向けて13億円余りの予算を計上させていただくなど、思い切った対策を取らせていただいたり、あるいは今の孤独・孤立対策、強度行動障害のお話もございましたが、そういうことにも700万円の予算をつくったり、いろいろと工夫をしながら、現在の財源を生かしてこの難局、降り注ぐ雪の中でやるべきことをやっていこうということでございます。  そして、議員のほうからお話がございましたのが、若者が主役の県政というのが大切ではないだろうかという点でございます。これにつきましては、本県は平成23年から県民参画基本条例の検討をさせていただきました。この議場でも大分議論がありましたけれども、大方1年ぐらいかけまして、新藤先生を中心に検討会でもんでいただきながら、随時、議会に報告をして、新しい県政の姿というのを活発に論じ合ったわけであります。それにより、平成25年の2月議会で可決、成立ということになり、新たな考え方として、やはり県民が一番参画しやすい県政というのをつくっていこうということを目指したわけであります。  東京大学の宇野重規先生が民主主義の大切なポイントを3つ上げておられます。1つは公開して、透明性のある情報ということ、それからまた2つ目にはいろいろな方々に参画をしてもらうということ、そして3つ目には参画をして、プロセスに入っていただいた上で下した判断、その責任というものを共有してもらうということ、そういう3つにおいて民主主義というのは重要な機能を発揮し得るというふうにおっしゃっておられます。先生のおっしゃりようでは、民主主義というのは時に立ち止まることはあるけれども、ただ、必ず前進をしていくものだというふうにもおっしゃっておられます。まさに我々が県民参画基本条例の中で目指したものと同じものが、こうした民主主義の理念と重なるわけでありまして、鳥取から地方自治、あるいは民主主義のパイオニアとしての発信をさせていただけるものだろうと思います。  そういう議論の中で、当時も若い方々の参画、特に有権者でない方々も入ってもらう、これを論じたものでありまして、以来それに基づき、例えばパートナー県政推進会議であるとか、若い方々をターゲットにした戦略を練るような会議、例えば若者広聴レンジャーであるとか、いろいろなものをやってきているわけであります。その中で、この議会でやっておられます高校生議会で、例えば米子東高校の生徒さんが提案をされた、「手話言語条例ができたけれども、それを身近な生活の中に生かしていく機会というのは必要ではないか、それによって浸透していくだろう。」とこういう御提言があって、それで当事者団体の方々の協力もいただきながら、子供たち等も入って、聴覚障害の皆さんと交流事業などをやったりする。それから、例えば最近も手話チャレというような、子供の学習支援みたいなことに発展をしていく。こういうようなことを実際に若い方々の発想に基づいてやっていこうということですね。  同じように例えば鳥大生の皆さんからは、「スマホの使い方を高齢の皆さんに教えていく機会をつくって、言わばデジタルトランスフォーメーションというのを進めていくべきではないか。」と。現にそういうことも事業化をして、鳥取大学の学生さんにもお手伝いをいただいている。こういうように若い方々が確かにいろいろな意見があります。それこそが未来からの言葉なのだと思うのです。そういう次の世代の方々が望んでおられること、気がついたこと、そうしたものを柔軟に受け止めることで初めて鳥取県政というのは、他地域よりも早めに前に進むことができるのではないかと思います。そういう意味で、議員がおっしゃるような、そういう若者の県政反映の機会というのは重要だと思っておりまして、これまでもやってまいりましたが、今後も新しい任期の中でこういうものが発展、継承されていくように願うものであります。  次に、ねんりんピックにつきましてお話がございました。このたび神奈川大会があったわけでありますが、その状況も踏まえて、これからどういうようにその道筋をつけていくのかと、こういうお尋ねがございました。今回のねんりんピックでは、マラソンで中澤さん、それから水泳のバタフライで太田さん、それぞれ優勝するなど、鳥取県勢の活躍もございましたし、また開会式では2年後のねんりんピックを横断幕を掲げてアピールをするなど、選手の皆さんや役員も一緒になりまして、神奈川の地で鳥取のねんりんピックを盛り上げていただきました。やはり非常に重要な交流の機会で、久方ぶりということもあったのだと思いますが、感染対策に配慮をしながらも、実りの多い大会になったところでございました。  私どもも、そこには実は若干偵察の意味も込めまして、ある意味、どういうふうに2年後に備えたらいいか、そういう調査もする任務も負っていたわけであります。いろいろと分かったこともあります。一つは、審判団といいますか、そうしたところのスタッフをやはりきちんとかなりそろえなければいけないということですね。それから競技によっては仮設でやるところもありますが、仮設のトイレというのも多めにやはり確保する必要があるのではないかということであります。それから結構買物をされると。やはり購買意欲もあって、現にねんりんピックの最近の経済効果は大体毎回100億円規模と言われています。当然ながら、本県でもそれがターゲットに入るわけであります。ただ、そのためにはやはり若干年齢を重ねていたり、人生経験豊富な方々でありますので、実は宅配便などを利用したいわけですね。意外にそこらが盲点で、そうした宅配のためのサービスのような施設が必要ではないかとか、結構実践的に話をいろいろと聞いたり、調べたりして帰ってきたというところであります。これを2年後に向けまして生かしていくということになろうかと思います。  いよいよ今週には宿泊等についてのプログラム、これのコンペティションをさせていただくことになりました。実行委員会は既に立ち上がっていますが、一つ一つ現実にやるべきことの積み上げが今始まろうとしているところであります。新年度になれば、もっと具体的にもう中身を詰めていくということになりますし、ボランティアセンターであるとか、そうした手配などに進んでいくことになりますが、そういうように一歩一歩着実に進めていくことになります。  では、鳥取大会に対する期待感はどうかということでありますが、実は今回のねんりんピックで鳥取のほうでもブースをつくって、2年後の鳥取大会のアピールをさせていただいたわけでございますが、そのPRキット、観光のちょっとしたグッズだとか、そういうものはあっさり全部はけてしまいまして、完売状態ということになりました。それから、あおやかみじろうを今度メインキャラクターにしようとこの間、公表したところなのですが、このあおやかみじろうの缶バッジなどもたちまちなくなってしまうということでありました。やはり皆さん、非常に楽しみにされているのですね。だから、鳥取に行きたいというコアな方々がこのねんりんピックの関係であるというふうに考えれば、我々としては絶好の集客機会にもなるのではないかと思います。来年は愛媛で行われるわけでありますが、ぜひこの鳥取大会にまた御来場いただけるように、総力を挙げて工夫をしてまいりたいと思います。  また、県内でも市町村の会場の準備もいよいよ本格化してくるわけでありまして、そういうものとタイアップをしながら、地に足のついたPRを県民向けにもさせていただきまして、鳥取県人の持つようこそようこその精神でお迎えできるように我々も努力してまいりたいと思います。  最後に、令和3年度の実際の調査状況等も含めまして、強度行動障害の現状についてどういうふうに把握をしてきているのかと、こういうお尋ねでございます。今、鳥取大学の井上先生が入られるメンバーの中で、国における強度行動障害対策の検討会が動き始めたところであります。そこでも先生のほうで報告をされておられましたが、鳥取県は悉皆調査をやっていまして、強度行動障害がどれほどいらっしゃるかということで先ほど数字が上がっていましたが、令和3年度の調査結果がまとまってきておりまして、それによりますと、強度行動障害の方は県内で568名いらっしゃるということです。この568名は前回調査よりも37名増えています。それから特筆すべきなのは、70歳以上の方につきましても35名というふうに、10名程度増えているのですね。またいろいろと症状の重い方というのもいらっしゃいますけれども、こういう方も150名程度から170名程度に増えてきているということであります。こういうように徐々に高齢化であるとか、それから重度化が進行してきている、それだけ対策を必要とするということになり始めているのではないかと思われます。  そういう中で、やはり在宅でどうするかというのが一つのキーにもなってくるのだろうと思います。だんだん年がいかれますと施設のほうが多くなってくるということでありますが、現実にも40代ぐらいまでは在宅の方が多いわけですね。そういう意味で、いろいろな人間関係が必要だと議員がおっしゃいましたが、御家族と事業さんとの関係づくりだとか、それから地域とのつながりだとか、そういうものを意識的にやはり形成していくことが重要であって、そういうことが多分、今上程させていただいています孤独・孤立を防ぎ、温もりのある絆社会をつくっていこうという、そういう私どもの新しい条例案の趣旨にも沿うものだというふうに思います。そういう意味で、これからこうした調査結果も基にしまして、強度行動障害の皆様、そしてその御家族が安心して暮らせる地域社会を目指してまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事、どうもありがとうございました。丁寧に説明をいただきましたし、やはり知事らしく、みんなでやっていくのだと。それこそ参画条例ではないですけれども、若い人にも声をかけてというようなことも、最初のスタートの頃から私も、おっしゃっていただいたように、一緒に聞かせていただいたり、その状況については一緒になっておらせていただきましたので重々分かりますが、本当にそういったスタート、また今の持ってこられたことが今につながっているのだろうな。ただ、もちろんこれで終わりではありませんので、象徴的な言い方になりますが、またこれからしっかりと県のために、県民のためにこれを伸ばしていかないといけないということだと思います。  それで、今の御説明の中で、特にしっかりやっておられますので、また改めて引き続きしっかりお願いしたいということなのですが、財政課題についてということで思うのです。知事からも今ちょっとお話がありましたけれども、新年早々、地方財政計画というのが国から示されるということでありますが、その中で、今まで地方創生交付金というようなことだったのですが、足かせがかかりつつあるというようなちょっと話もあったのですけれども、今度、デジタル田園都市国家構想の実現に向けてということで、そこが地方創生から再編されていくだろうというような流れが出ているようであります。  また一方で、本県においては知事選、県議選を控えておりますので、当初予算は骨格予算という編成になるだろうというふうに予期できるわけでありますが、知事、そうした状況を踏まえながら、やはり今日お話もございましたけれども、今までの議論の中でもその辺は重々見させていただいておりますが、改めてコロナ対策はもとよりでありますが、当然、医療現場を支えていく、これは経済対策をしっかり講じていく、それからデジタル化、また成長分野の産業振興等々、やるべきことはしっかりと、今までもそうでありますが、これからもなおのことやっていただく、やるべきことはしっかりやる、この姿勢で具体的にやはり選択と集中で施策展開をしていく、事業実施を図っていただきたいというふうに改めて知事のお言葉を聞きながら、私はその意を強くしたところでございます。当然、知事もそういう思いで言われたのだというふうには認識をしております。  また、反面、歳入面ですけれども、言葉で言うのは簡単ですけれども、やはり財源確保にはしっかりと取り組んでいくということが、これも当然大事なことであります。改めて健全財政を念頭にやりくりしていただくということが重要だということを思います。  以上のようなことを申し上げて、追及質問に入らせていただきたいと思います。  これまで本県は移住促進、関係人口拡大の取組を進めて、コロナ前後における東京都からの人口移動増加率が何と全国1位、コロナ禍における働き方や暮らし方、価値観の変化を的確に捉えながら、効果的な施策を展開されているものというふうに認識をしております。その一つがファミリーワーケーション、あるいは都市圏の人材に鳥取での副業、兼業を提案する週1副社長、こういう取組があると思います。ここで重要なのは、都市圏の人材が求める豊かな自然環境であったり、子育てしやすい環境、これが本県にはあるのです。また、ビジネススキルやノウハウを生かして社会貢献できる機会を県内企業や地域が提供できること、これもできるのです。相互にウィン・ウィンの関係でマッチングが図られること、これをどんどん進めていっていただきたいと思います。  ただ、なかなか現状、成果が見えにくい部分もありますよね。これは若者の県外流出という部分ですね。これまでも県は、若者の県内回帰を促すべく、ふるさと情報発信ツール、SNSやスマホアプリの「とりふる」の活用、あるいは学生の就職活動に対して県内企業と連携してインターンシップの機会を提供するというようなことをいろいろやっておられました。様々な取組をされておられますが、即効性のある有効策を講じるということが難しいという点では、全国共通の課題だろうなというふうに思っております。  このような状況において、コロナ禍をきっかけにしてやはり普及したリモートでの意思疎通というのを、僕らの若い頃と違いますから、今、そういう部分がどんどんやられている。デジタルスキルにたけた若者の特性を踏まえて、例えば高校、また大学を卒業して、県外に出たり、地元に帰っていく県外出身の若者たちにリモートなどを活用して鳥取県の応援団になっていただくこと、そういう部分は可能ではないだろうかな。私が提案としてちょっと今思うのは逆にリモートということだったら乗ってくる人も結構おるのではないかなと。  そして、その動機づけとしてはふるさと鳥取への恩返しの方もあるかもしれないし、貢献したいのだという方もあるかもしれないし、あるいは鳥取との関わりをメリットとして捉えられるような、そういう可能性もあるかもしれません。ウィン・ウィンの関係をつくり出すこと、これまでとは違った切り口や若者の心に響かせるような取組というので施策を組み立てることも必要ではないかなというふうに、ちょっと今るる申し上げましたけれども、そう感じます。若者の県外流出に歯止めをかけ、県内回帰へ転換させていく流れをつくることに当たって、現状と来年度に向けた方向性をどのように知事は考えておられるのか、所見をお伺いします。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から重ねてのお尋ねがございました。若い方々にどういうふうに訴えかけて、例えば応援団になっていただいたり、若者回帰を進めるかと、こういうことでございます。今やはりコロナというものが一つの時代の区切りをつけつつあるのではないかと思います。コロナの前から比べまして、鳥取県への移住の増加率のベースでいきますと、鳥取県は25%というデータがございまして、2位の長野県を上回って、全国1位だったというニュースもございました。  今までちょっと考えられないことでありますが、やはり鳥取のほうを向こうという、こういう健康だとか命が気になるとき、また子育て世代にしてみれば、そうした子育てをするにはすばらしい住環境、自然環境、また、いろいろな支えを社会的にも得られるところでという、こういうイメージなのだろうと思うのです。  だから、そういう意味で今までとは違った目が鳥取のほうにも向けられ始めたので、これをうまく生かしながらやっていくというのが一つの戦略だろうと思いますし、また、あわせまして、ライフスタイルが変わってきたので、副業だとかワーケーションというようなこと、そうした切り口であったり、あるいはデジタル化を活用したもの、議員がおっしゃるように、リモートで応援団になってもらおうというお話がありましたが、そうしたことをやはり目指していけるようにもなりつつあるのではないか。言うはやすしで、実際に成功させるのはなかなか根気の要ることでありますが、今、それに取りかかるべき時期に入ったのだろうというふうに思います。  現実にも副業、兼業については、鳥取県は募集企業でも実際にこちらに就業される方でも全国トップというようになっております。やはりちょっと早めに始めて、ノウハウをつかんだということかなというふうに思います。今年度も既に2,500名を超える応募ということでございまして、多くの企業も実際マッチングに動かれておられます。例えば、最近の例でいきますと、智頭の複業協同組合というのができました。そちらのほうに、これは20代の日本航空の女性が入られるということになりました。どうしてそういう興味を持たれたかというと、2地域居住というのができる時代になったのではないかなというふうにも思われたようです。その2地域居住に興味を持たれたのと、それから鳥取県にやはり貢献したいという、そういうお気持ちもあって、言わば、そういうマッチングができたというのもございました。いろいろな実例が今、出来上がってきているわけですね。  また、ファミリーワーケーションという新境地を開こうということで、大山等を根城にやってみたので、結局、20組来られたということでありますが、そのうちやはり7割ぐらいはリピーターで入ってこられているということであります。今年度も東部のほうに入られる、そういうファミリーワーケーションのプログラムがありました。これは、空山の牧場のところで森のようちえんを体験したり、乗馬体験をしたり、そうしたものを組み合わせながらワーケーションをやるということですね。こういうファミリーワーケーションをしたところ、全ての家族がリピーターになってきているということであります。やはり需要は底堅いものがあるのではないかと思うのです。単に観光で旅行に来てくださいとかいうこと以外の、議員がこの議場でも提唱され始めた関係人口としてのそうした関わり方、そちらのほうが鳥取的にはアプローチはしやすいのかもしれません。  また、ネットを使ってのファンづくり、特に若い方々ということであります。今、大学生のUターンの就業率からしますと37%台ぐらいで、ちょっと低めに見えますけれども、実はコロナ前よりも高くなっています。コロナ前が35%ぐらい。だから、若干高めに今、来ているのですけれども、こういうことで、まだまだ足りないものですから、いろいろなマッチングの機会をつくろうと。大学との連携もありますし、「とりふる」というアプリを作りまして、これを活用しようとしております。これにも高校生の御意見を取り入れて、高校生も見るような、そういうコンテンツを入れたり、今改造をしているところでありますし、昨年度は企業へのエントリーができる機能というのも付加させていただきました。こういうものも活用しながら、言わばオンラインコミュニティーというのを形成していくという戦略があり得るのかなと今考えているところであります。  これはまた新年度、新しいメンバーでいろいろと議論してもらったらよさそうな話かなというふうに思いますが、そういう需要はどうもあるようでございまして、若者の御意見を聞きますと、地元の人も若い人ももっと鳥取好きになるべきだとか、そういうような意味で情報発信が足りないのではないかというようなお話だとか、よく聞こえるのはそういうことでありまして、こういうICT、リモート的なアプローチを活用しまして、議員がおっしゃるような若い方々を引きつけるファンづくりやそうした関係人口づくりが大事なのだろうと思います。  そういう発想に基づいて、今、スナバ国のパスポートというのを発行し始めました。これはバーチャルで発行するものでありますが、既に1,700人ぐらいの方が来ていまして、実は軽く目標を超えています。やはりこういうところでICTを活用してやったほうが広がりというのはひょっとしたら速い、効果的であるということが多分実証されたのではないかとも思いますので、ぜひそうした方向性での政策づくりに今後、向けてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事ありがとうございました。今後に向けてぜひ進めていただきたいというふうに思います。  それでは、時間の関係もございますので、追及を続けさせていただきます。  今年2月でしたけれども、倉吉東高校へ私どもも委員会で視察に行ってまいりましたけれども、グローバル人材の育成を目指した国際的な教育プログラムであります国際バカロレア認定校になりました。山陰地方では初めてであります。いよいよ来年度から1期生が入学ということですね。このバカロレアの認定によって、世界基準、世界レベルの教育を鳥取で受けられるようになる。私も、鳥取県教育の大きな勲章となるもの、形だけではいけませんけれども、中身はこれからしっかり大事なわけでありますが、大変期待しております。  この山陰地方で初めてとなる取組を実効あるものにするためには、やはり子供たちの裾野を広げることが重要だと思います。小学校、中学校、子供たちに国際感覚、国際的な視野というものを持つ機会を提供したり、子供さん自身に国際感覚をしっかりと目を向けさせるということでありますが、進路の選択の可能性を広げなければならないと思うのですけれども、教育という大前提の上に立った話であると思いますが、たまたま興味を持った子がバカロレアを目指すのではなくて、でき得れば、全てとは言わないけれども、多くの子供たちがバカロレアに興味を持って、関心を持ち得るような仕組みを構築していくことも必要ではないかな、足羽教育長の御所見を伺います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜崎議員の一般質問にお答え申し上げます。  子供たちが国際バカロレアに興味を持つような仕組みづくりが必要ではないかというお尋ねでございました。今、議員のほうから御紹介いただきましたとおり、この議場でもたくさんの御意見をいただく中で、倉吉東高校が来年4月から国際バカロレア教育をスタートさせることができるようになりました。大変な設備、施設等も含めながら、議員の皆様方が御理解いただいたことに厚く感謝を申し上げます。
     議員から御紹介がありましたように、この国際バカロレア教育とは、国際的な視野を持つ人間の育成、世界に通用する世界標準基準の教育プログラムだというふうに紹介をされておりますが、単なるグローバル人材を育成するだけではないというふうに私は思っているところでございます。国際バカロレア教育の目指す人間像に、もちろん知識ですとか思考力、考える力ですとか探究心だとかコミュニケーション力といったようなものもございますが、それ以上に心を開く力ですとか、それから相手への思いやり、そして積極果敢にチャンレジする挑戦、そういった人間像がこのプログラムに組み込まれております。いわゆるグローバルな視点でコミュニティー社会の一員としての自覚、責務をしっかり認識し、それは浜崎議員もよくおっしゃる共生社会の実現に向けた社会の一員としての責務をしっかりと身につけた人材を目指していく、そういう教育であろうというふうに思っております。  ただ、まだまだ全国にも数は少なくて、周知がなされておりません。去る11月20日に、本県でも認定を受けて初めてPRができるようになりましたので、フォーラムを開催いたしました。知事のほうからも冒頭の御挨拶をいただく中で、このフォーラムにおいて、取り組んでおられる先進校の校長先生や生徒さんの声、これによってどのような学びなのかということをしっかり共有することができたように思っております。  校長先生方の声では、思考力とか発信力というのもありましたが、私が一番印象に残りましたのは、様々な意見をぶつけ合う機会が非常に多い、つまり、自分と相手が違う、そこに違和感を持つことから逆に他者理解が深まった、生徒たちがこんなふうに変わったこと、こんな紹介をいただいたことが印象に残っております。また、実際に学んでいる生徒たちは、多角的な視点から物事を学ぶことで批判的な思考力が高まったというふうな声や物事を俯瞰的、抽象的に捉えて、考えて、具現化していく力が高まっている、これは全て生徒の声でございます。そうした学びがもたらすものが何なのか。今、実際にその事前準備として学んでおります倉吉東高の生徒たちも、自分の言葉で自分の考えをしっかりと述べることができるようになっている、そんな声も聞かれたところでございます。  そうした学びに向けて、いよいよ4月から学びがスタートしていきます。議員のおっしゃるような仕掛けの一つとしては、そうした実際の学びの姿が見えるようになる、これを単なるチラシやレポートではなくて、実際に倉吉東高の生徒が学ぶ姿を県内外の中学生や保護に公開していくという、そんな機会をたくさんつくることで流布していくということが必要だろうなと思って、仕掛けを考えていきたいというふうに考えております。  もう1点は、教科の英語以外にもう1科目、今、倉吉東高校では数学をオールイングリッシュでやる、これが国際バカロレアの一つの学びの条件でございます。今、英語以外の教科を英語でやる。つまり、国際的な英語力がやはり必要になるということ、ある意味、ここも大きなPRであり、そして、中学生や子供たちへの大きな発信にはつながるものだろうと思っています。単にハードルが上がる、高いだけではなくて、今後、子供たちが生きていく国際社会の中での英語力を、小学校に対して例えば親子対象で、外国人講師と一緒に一日過ごすようなイベントですとか、中学生には高校生と一緒になってディスカッション、議論をしていくようなスピーキング力を高めるような取組、素地としての英語力の向上といったようなことも広め、流布していきたいというふうに思っているところでございます。  つまり、この学び方を学ぶ国際バカロレア教育が、ひいてはその国際舞台での活躍のみならず、このふるさと鳥取で生まれたことをしっかり誇りに思い、では自分がふるさとにどう貢献できる人間であるのか、人との関わりをどう持っていくのかといったことに寄与する、先ほどおっしゃったような、この鳥取のことは決して忘れない、そんな人材育成につながるような仕掛けをしてまいりたいというふうに思っているところでございます。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)教育長、ありがとうございました。今のお話をしっかりと聞かせていただきました。本当に能力、学びというものを実際にその学びというのを見える化というようなことでお話も聞かせていただきましたが、子供たちがそういうことによってどんどん自信を持って大きくなっていくのかなということを想像するだけでも何となくわくわくするような期待感があるわけであります。ぜひともしっかりとよろしくお願いをしたいというふうに思います。  それでは、追及を続けたいと思います。  共生社会の取組に対する追及ということでありますが、皆さん御存じだと思います、自閉症なり、知的障害の方ですね、強度行動障害を有する方は大変なのです。自分で傷をつける、それから他人を傷つけたりするということも生じるわけですが、障害の特性に適した環境整備、また支援が適切に提供されない場合も結構、多々いろいろあるわけです。施設側からもストップがかかったりとか、いろいろな状況があるのですが、そうなると、本人の困り事というのが著しく大きくなって、行動上の課題が引き起こされるというようなことで、またそれが大きな問題になると。時によっては事故なり、事件なりということもあるかもしれません。  適切な支援の継続的な提供が必要ではあるのですが、今申し上げたように、サービスの受入れが困難だったり、受入れ事業所で提供がなかなかできないとか意欲のあるそこの事業所の支援が疲弊してしまうというようなこともあるのですね。私もその現場に何遍も立ち会っておりますが、もう大変なのです。そうなると、本人の状態が悪化したり、行き過ぎれば今度、虐待にもなるというようなこと、非常にその辺のニュアンスというのがややこしいところがあるのですよ。  そうしたことを踏まえて、知事も先頭を切って指示を出されたのだというふうに想像するわけですが、本県では、令和2年度以降、在宅強度行動障がいに対する在宅支援の効果検証事業に取り組まれておられますよね。現在までの実施状況とその評価について、知事はどのように認識しておられるのか、所見をお伺いしたいと思います。  また、この効果検証事業というのは令和4年度限りのモデル事業ということで、ちょっと寂しい気がします。行動障害を緩和して、障害自身の穏やかな在宅生活を送るための継続的な支援、事業所の利用、それから養護のレスパイト等、いわゆる負担軽減につなげる、強度行動障害に対して地域で住みやすい環境を整える、これが一番であります。そういったことに向けて役立てていくためにも、今後、全県的な展開を検討するべきではないかと思います。併せて知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から、強度行動障害支援につきましてお尋ねがございました。議員のほうから御指摘がありました、一つ、モデル事業で、井上先生にも御協力をいただき、厚生事業団はそうした強度行動障害のケアをやっているところでありまして、そうしたところの御協力もいただいて、今、丁寧にそうしたモデルケースをつくろうとしています。昨年度までで8名、それから今年度は東部と西部で合わせて3名やっているところでございまして、こういうようなことで、今、11名ほどケースが出てきているわけです。  例えばどういうことがあるかというと、それは議員がおっしゃったような自傷行為や他害行為などがあったり、あるいは奇声を発するだとか、そうした症状を持っておられる対象の方がいらっしゃると。その方が結局、自分で外出してはいけないというルールを自らつくられて、それでなかなか外の施設に通うということが難しいというケースがありました。それで、受入れ施設側とも協力してもらって、その方が好まれるような食事、お弁当だとか茶菓類だとか、そうしたものを用意する。それによって、本来、自分が持っている外出してはいけないというルールに反する、そうした行動を促すわけです。行ってみると、自分の好む環境というものがそこでつくってあって、ここに行ってもいいというふうになるわけですね。これによって、今、週1回、通所ができるように変わってきまして、これが御家族にとってはレスパイトの効果が生じるということにもなります。非常に手間もかかりますし、大変なのですけれども、こういうふうにそれぞれのケースに応じた対策をやはり丁寧にやっていかないと、こうした強度行動障害の方々の在宅ケアの対策としてはなかなか前に進まないということであります。ですから、どうしても時間がかかると。  ただ、そうはいっても、こういうことをどんどん進めていきたいわけですね。県のほうでは、かねて社会福祉施設の整備事業としてハード事業を支援させていただいております。松の聖母学園さんでも平成23年、平成28年と改築だとか、あるいは改修などをされまして、そういう体制整備を整えられる、こういうようなことを各地区でやります。それから、今支援できる人材を育てようと、その研修事業ということを今年度では基礎研修と実践研修を合わせて200名規模で受講が出てきております。そうやってどんどんと担い手を増やしていく必要がありますし、それからこういう難しいケースに対する対処というのも、これもここで終わりということにはすべきではないと思います。新年度の方々でも御議論いただかないといけないことだと思っておりますし、関係も続けて発展させようというふうに今、動いておられますので、そこをよくコーディネートさせていただければと思います。  例えば中部にありますエール、ああいうところもかんでいただいて、厚生事業団のようなノウハウを持っているところにもかんでいただいて、それで、そうしたつなぎ役をしてもらいながら、一人一人のケースをもっと増やしてやっていけないだろうかと、今こういうようなことも検討させていただいているところであります。  いずれにいたしましても、地域の中のいろいろな主体が関わらないと、なかなかこの強度行動障害に対する適切な処方箋というのが描けないところもありまして、特に市町村の実践的な介入が必要でありまして、市町村等ともよくコミュニケーションを取らせていただき、個々のケースに当たってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)ちょっと時間がぎりぎりになるかもしれませんが、急いで参ります。  追及でありますが、私はこれまで何度も本県らしい地方創生、いわゆるとっとり創生を訴えかけてまいりました。県民一人一人が主役として輝ける世界、彩りのある社会ですね、輝ける社会で彩りのある未来の鳥取県を築いていくためのキーワードであります。  また、知事は、これまで4期16年にわたって、皆さんもよく御存じですが、子育て王国、蟹取県、星取県、手話言語条例、支え愛社会、国際交流、産業振興、中部地震からの復興、県立美術館、農業生産1千億円、米子道全線4車線化にも道筋をつけられます。まさしく八面六臂の活躍であります。思いつくだけでも多くの分野で多くの実績を、業績を上げてこられます。その中でもやはり一番県政に求められる課題は、何といっても県民の命と健康を守る、生活を支える、傷んだ地域経済を回復させる、県民の生活基盤を整えることではないでしょうか。これからこれまで経験したことのない人口減少社会に進んでいく中で、こうした応急処置を行いつつ、本県らしい地方創生を実現していくために、これからどのような県政運営が必要であるとお考えか、知事の所見をぜひお伺いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から重ねてのお尋ねがございました。議員がおっしゃる鳥取型の地方創生、これが恐らく一つの答えになるのではないかと思います。やはりお互いに助け合えるような絆がまだ生きている、そういう鳥取という地域におきまして、いろいろな主体が関わり合ったりしながら、それで今は例えばコロナと闘うとか鳥インフルの闘いもございました。また、いろいろと困難があると。  そういうときに例えば非常に厳しい経営状況のところを、金融機関もそうですし、それから私どもの産業関係の団体などもそうでありますし、いろいろな主体が関わって、それで伴走型で支援をしながら、次の挑戦へと導いていく。こういうものを農業であれ、あるいは福祉であれ、様々なジャンルで展開できる力というのが多分、鳥取型の地方創生だと思います。議員がちょっと心配をされていましたが、デジタル田園都市国家構想の推進の会議にも私も参画をし、また、地方六団体でも岡田大臣等々と話し合う機会を今月に入っていただいておりますが、従来の地方創生の枠組みというのはかなりの程度維持されるはずであります。  ですから、そうしたものを活用しながら、私どもも地域の実情に即した、そうした対策を展開していけるのではないかと思います。小さな鳥取県だからこそできる次の時代を開く挑戦、それこそが鳥取型の地方創生という議員が今提唱されるものではないかというふうに考えております。  暗いニュースが多い中で、昨日まで結構大きな取り上げ方をされたのが、月へ行くというミッションでございます。これを実現させたのがファルコン9というロケットに積み込んで、そこで着陸船を搭載して今動かしているのがispace(アイスペース)という東京の会社ではありますが、その名はHAKUTO-Rであります。白ウサギ、Rはリブート、もう1回やってみようという、そういう意味合いであります。袴田代表がテレビにも出ておられましたけれども、実はちょいちょい鳥取にも来ておられました。砂丘の地でそのローバーを動かす実験をしていたわけです。そのときのスタッフの方々が実は鳥取で事業を始めておられて、たすくというプロジェクトとか、あるいはamulapo(アミュラポ)さんという、これは今、砂丘の月面化に関わっておられる方でもあります。こういうようにいろいろな形で鳥取を舞台にして、何だったら月まで運んでくれるような、そういう動きというのは決して不可能ではない、可能なのではないかというふうに思います。  白兎の白ウサギというのは来年、私どものうさぎ年ということでありまして、そういうような意味で、新年こそ新しい時代をつくり出す、我々のロケットが場合によっては月に届く、そういう時代が開かれればというふうに念願をするわけであります。そういう意味で、一つ、私どもはそうしたうさぎ年、新年に新たな期待をかけていければと思います。「ふるさと」という歌にもありますように、「ウサギ追いし かの山」という、その山の中、鳥取という新しい時代が切り開かれていくことを願ってやみません。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事、ありがとうございました。  これから厳しい冬を迎えるということですが、それを乗り越えてこそ、それこそ暖かく、穏やかな春が迎えられるものだというふうに思っております。時には議会としても県政を支え、そして、また、時には厳しい目で県政に物言いをさせていただくこともお含みおきをいただいて、平井知事には御自身の進まれるべき道を熟考していただきたいと思います。私としては、ぜひ共に未来を築くとっとり創生を描きたいということを申し上げて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ◯副議長(広谷直樹君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時15分散会    ────────────────...